【インタビュー】金秀バイオ・知念社長に聞く
「海外での販路拡大に注力」
金秀バイオ 代表取締役社長 知念 三也氏
オキナワモズク由来フコイダンをはじめとした沖縄県産健康素材のサプライヤーとして市場をけん引してきた金秀バイオ。同社の知念三也社長にアフターコロナ2年目を迎えた昨今の業況や注力しているポイント、今後の展望などを聞いた。
―上半期を振り返って。
知念 主力のオキナワモズク由来フコイダンは、コロナ禍を経て「免疫力」に対する社会の関心が高まったことも追い風となり、前期を上回るペースで推移しています。
このほど、フコイダンの抽出設備やスプレードライヤーなどの増設が完了し、生産能力は従前の約2倍となりました。国内外の需要増に応えるべく、一層の生産能力向上と提案営業の強化を図ってまいります。
同時に「食の安全・安心」は一丁目一番地ですので、当社工場では健康食品GMPやISO22000などに基づく品質管理や原材料のトレーサビリティを徹底してきました。海外展開を拡大する中で、今後は米国やEUなど海外の規格基準への対応も検討し、調査を進めています。
―現在注力しているポイントを教えてください。
知念 今年3月にリポソーム化(ナノ化)技術を活用した自社ブランド「ナノリポ」シリーズを立ち上げ、ブランディングを強化しています。スプレードライヤーを増設したことでリポソーム加工の製造キャパも大幅に向上したため、今後は原材料の受託加工にも積極的に取組んでいきたいです。
2021年に上市した藻類素材のラビリンチュラは、主成分のDHAを抽出した原料が一般的ですが、当社の場合は藻体をまるごと製剤化していることが特徴です。現在は、学術機関と共同で藻体をまるごと摂取による健康効果のエビデンス創出を目指しています。
また、私が社長を兼任している金秀商事との連携によるシナジー創出にも取り組んできました。金秀商事では沖縄県内にスーパーマーケット61店舗、ドラッグストア5店舗を展開していますが、こうした販路を活かすべく、量販店向けの商品開発にも注力しています。
アフターコロナで観光客数が過去最高を記録するなど沖縄県の景気は着実に回復する中、当社でも観光客を含めた新規顧客の獲得をさらに強化していく方針です。
―海外進出にも注力されていますね。
知念 海外での販路拡大は最優先事項として力を入れており、語学が堪能な社員の補強など、営業体制も強化しています。昨年はインド、ドイツ、タイの展示会に出展し、今年は米国、台湾の展示会にも出展しました。
いずれの地域でも多くのご反響をいただいています。レギュレーションへの対応など時間がかかる部分もありますが、沖縄県産素材の魅力を世界に伝えていけるよう、現地のパートナーの協力を得ながら積極的な販路開拓を進めていく所存です。
―ありがとうございました。