【新連載】API’s PLUS on (2)
第2回「機能性オイル飲料」
健康食品受託製造企業最大手のアピ(岐阜市)では、多彩な製剤加工技術と原料加工技術を駆使することで最終製品に新たな魅力や付加価値を〝プラスオン〟するプロジェクト「API‛s PLUS on」を展開している。第2回は、乳化処理技術によって油脂や脂溶性成分など本来は水に溶けない物質を配合した「機能性オイル飲料」を紹介。独自の「リトルPETボトル」や「ブローパック」をはじめ、大瓶、小瓶、アルミボトル缶、液体三方など多様な剤形との掛け合わせによって新たな付加価値の創出が期待される。
独自の乳化技術で脂溶性成分を飲料に配合
健康訴求のドリンクやゼリーは、飲みやすく手軽に摂取でき、ライトユーザーの獲得にも繋がりやすいことから近年人気が高まっている。
同社では、多種多様な飲料製品の製造実績を積み重ねてきたが、同時に乳化や微粒子化といった飲料への加工適性を高める原料加工技術も有することが大きな強みだ。
中でも、乳化処理を施すことでDHA・EPAやMCTなどの油脂やアスタキサンチン・クルクミンなど脂溶性の機能性成分の配合を可能にした「機能性オイル飲料」は、既存のドリンクやゼリーとの差別化を図りやすいことから人気が高く、採用事例が増えているという。
乳化とは、本来は混ざり合わないもの同士がどちらか一方に分散し、均一な状態となっていることを指す。通常、油脂や脂溶性成分は飲料に配合するとすぐに分離してしまうが、これらに乳化剤を添加し、超高圧で処理することによって乳化粒子が形成され、水中に分散させることができる。乳化処理によって水溶性が向上するだけでなく、吸収性の向上も期待できるメリットもある。
同社では、乳化設備として「ホモゲナイザー」(最大圧力:100MPa)および「スターバースト」(同:245MPa)を保有しており、ドリンク、ゼリー、ペーストをはじめ、さまざまな剤形に活用してきた。
こうした製剤技術だけでなく、味覚テストに合格した専門スタッフが官能試験を行うことで、おいしさを追求した味付けにも定評がある。
消費者からは「おいしくて続けやすい」「子どもや高齢者でも摂取しやすい」といった声が聞かれているといい、最近ではサプリメントをメインに展開する企業がクロスセル商品として機能性オイル飲料を開発するケースや、「プロテイン」「完全栄養食」といった人気商材の飲みやすさ向上のために活用されるケースなども増えているという。
担当者は「『脂溶性成分や油脂をドリンクに配合して差別化したい』、『脂溶性成分の吸収効率を向上させたい』といったニーズを抱える企業の方にぜひ活用して欲しい」と訴えており、機能性オイル飲料による課題解決や新たな付加価値の創出を提案している。
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