【連載】新商品インタビュー/「サプリス」森永製菓

2024年12月18日


 2023年のアイスクリーム販売金額は過去最高の6082億円(日本アイスクリーム協会調べ)。拡大を続ける市場において、森永製菓(東京都港区)では、「おいしくて、からだにうれしい成分も摂れる『サプリス』」を新発売した。冷菓マーケティング部の田仲結子氏に、開発エピソードや推しポイントなどを語ってもらった。


‐「サプリス」を開発された経緯について。
田仲 私ども森永製菓は、2030年に向けて「ウェルネスカンパニーへ 生まれ変わる」と宣言しています。お菓子ならではの楽しさや心の健康といった面に加えて、体の健康にも寄り添った商品開発を進めるべく、冷菓マーケティング部も昨年、新規カテゴリ部門を立ち上げました。私もそのなかで、ウェルネスを中心とした取り組みに注力しています。
 「サプリス」は、健康意識はあるが、具体的な行動に移すのは面倒、甘いものをついやめられない…といった方の、アイスの時間の罪悪感を減らしたいとの思いから、開発に至りました。サプリのように習慣的に、美味しく食べられるアイスにしたいとの気持ちを込めて「サプリス」と名前をつけています。
 1本あたり1日分の鉄分を配合した「プルーンヨーグルト味」、1本に1000mgのコラーゲンペプチドを配合した「レモンヨーグルト味」の2種類を 、現在北海道限定で販売しています。

‐特徴やこだわりポイントを教えて下さい。
田仲 ひとつは「なめらかな食感」です。一番アイスらしさが出る部分ですので「サプリス」の特徴としてこだわりました。
 「味わい」にも強くこだわっています。ただの健康アイスにしてしまいたくないと言いますか、本当に美味しいアイスとは何だろう?という課題に正面から取り組み、果汁やフレーバーの感じ方を細かく調整しました。
 実は、機能性をプラスしたアイスの開発は今回が3回目です。これまでに「おいしいコラーゲン」や「inゼリー」ブランドでテスト販売を行っています。
鉄分配合アイスに関しては、前商品の段階で技術が確立され、品質評価も高かったので良かったのですが、今回はコラーゲン独特の風味をどう隠すかに苦労しました。当初想定していたピーチからレモン味にしたことで美味しい味わいにできました。
 1本あたり51キロカロリーで、小ぶりなサイズ感も、なめらかさやおいしさと合わせて重要視したポイントです。
 また、初めて購入する際、ハードルが高くないよう5本入りにして、価格帯を一般的なマルチアイスのラインに合わせました。1本あたりで計算すると、ドリンクよりも安く1日分の栄養素を美味しく摂取できるというところも意識しています。

1本51キロカロリー!美味しく栄養素を摂取!

‐可愛いパッケージですね。
田仲
 テンションが上がるパッケージにしたかったのです!「健康的な商品ってどうせ美味しくないでしょ…」のテンションになるのを避けたくて(笑)。ターゲット層である女性たちが癒されるような、水彩画タッチの雰囲気にしました。

‐販売後のお客様の反応は。
田仲 地域限定のため、まだお客様の声を吸い上げ切れていないというのも事実ではあるのですが、事前調査では「1本で鉄分やコラーゲンを美味しく摂れるなんて驚き」といった評価をいただいています。直近では、購買のメインとなりそうな50代以降の方向けに折込チラシ を行ったところ、1日で20件近いお問合せをいただくことができました。

‐今後のご展望と、読者へ一言お願いします。
田仲
 1年を通してしっかりと検証を進め、最終的には「健康コンセプトのアイス」のエリアを拡大し、売り場に定着させたいです。今後、出てくるであろう課題を乗り越えながら、お客様にしっかり届けられるように取り組み続けていきます。
 美味しいアイスに機能性があってラッキー!といった商品は、市場にあまり出ていないと思っています。当社の商品を通して、消費者の方々の「おいしい健康習慣」を創っていけるよう頑張ってまいります。

田仲さん「消費者の美味しい健康習慣を創っていけるよう頑張ります」