【新春インタビュー】DIC 今井康行氏
「フィコシアニンの原料供給に本腰」
DIC カラーマテリアル製品本部 ヘルスケア企画・開発グループ
グループマネジャー 今井康行氏
―昨年を振り返って。
今井 昨年は健康食品の品質・安全性を巡る問題が発生し、当社としても対応に追われる1年となりましたが、それでも結果的に販売は堅調でした。
当社では約50年にわたって微細藻類・スピルリナの研究開発および製造販売に取り組んできましたが、当社の品質・安全性に対する姿勢がこうした問題によって改めて評価していただけた面もあると感じています。
そうした中で、自社製品の「フィコナ スキン モイストリフティング タブレット」は好調に推移しました。同品は「肌のバリア機能改善」を訴求する機能性表示食品として2020年に発売しましたが、体感性の高さを評価していただき、高いリピート率を維持しています。一昨年には台湾での販売を開始するなど、海外での展開にも注力していく方針です。
主力商材のスピルリナは、タンパク質を55~70%と高含有することから「持続可能なタンパク源」として注目をいただいており、今後はスポーツニュートリションやフレイル予防などプロテイン代替としての切り口でも提案を強化してまいります。
―昨年は新素材も上市されました。
今井 「フィコナ」の機能性関与成分となっているスピルリナ由来フィコシアンを「フィコエル」のブランド名称で原料供給を開始しました。
フィコシアニンに対しては以前から多くのお問合せをいただいていたのですが、原料供給の準備がようやく整いましたので、今年は本腰を入れて展開していく所存です。
藻由来DHA「DHA‐ORIGINS」については、既存のDHA51%品「510」に加えて業界最高レベルとなる58%規格品「580」をラインアップしました。
「510」では「記憶力の維持」に関する機能性表示食品の届出実績がありますが、「580」ではより少量での機能性表示が可能です。
いずれの素材も機能性や安全性に関する情報の提供など、お客様の届出サポートも可能です。
―今後の展望を。
今井 当社では長期経営計画「DIC VISION2030」の中で今後の重点領域の一つに「ヘルスケア」を掲げ、女優の吉岡里帆さんを起用したCMを放映するなどスピルリナをはじめとした藻類素材の認知拡大にも力を入れています。
一昨年には高知大学との共同研究でスピルリナ由来多糖のアンチエイジング効果を発表するなど、新たなエビデンスの創出や藻類を起点とした新素材の開発にも引き続き取り組んでいく方針です。
国内のみならず、欧米やアジアを中心とした海外においてもDICグループの拠点を活用し、世界に向けてスピルリナをはじめとした藻類素材を発信してまいります。
―ありがとうございました。
↓↓↓ 購読(電子版・紙版)のお申込みは以下よりお願いします ↓↓↓