【インタビュー】シクロケム・寺尾啓二社長に聞く
「最新科学で証明された超効率的に筋肉をつける最高の食事術」
著者・寺尾啓二氏(シクロケム代表取締役社長)に聞く
筋肉増強・運動機能向上から美容・アンチエイジング、高齢者のフレイル予防に至るまで、老若男女問わず健康維持・増進に不可欠なたんぱく質。一方、たんぱく質の過剰摂取は腸内で腐敗産物を発生させ、さまざまな疾病リスクを高めることも指摘されている。本著では、「スーパーオリゴ糖」といわれるα-オリゴ糖をはじめ、キウイフルーツパウダーや酪酸菌などの機能性素材を用いて腸内の腐敗産物を抑えながら効率的にたんぱく質を摂取する方法や、免疫力、美容、運動機能向上などに効果的な食品とその活用方法をわかりやすく紹介。著者の寺尾氏は、プロテイン粉末にこれらの機能性素材をトッピングした「パーソナル化サプリ」の普及啓もうにも注力している。
―本著が記念すべき50冊目となりました。
寺尾 本著は、シクロデキストリンをはじめとした機能性素材に関する研究の「集大成」ともいえる内容になっています。
近年はアスリートのみならず、一般の方にもたんぱく質摂取の重要性が認識されるようになり、サプリメントとしてプロテインを摂取するケースも増えました。
その一方で、小腸で吸収しきれなかったたんぱく質は大腸に運ばれると悪玉菌によって分解され、さまざまな腐敗産物を発生させることも事実です。
当社では、α‐オリゴ糖(α‐シクロデキストリン)の機能性について長年研究してきましたが、その中でα-オリゴ糖が腸内で酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸に分解され、たんぱく質摂取後の腸内環境悪化を抑制する働きを見出しました。
これは他の水溶性食物繊維と比較しても顕著な効果を発揮するため、当社では「スーパーオリゴ糖」としてα-オリゴ糖の有用性を訴えています。
―本著ではカギとなる機能性素材にキウイフルーツパウダーと酪酸菌も挙げられています。
寺尾 キウイフルーツにはアクチニジンというたんぱく質分解酵素が含まれるため、プロテインと併用することで小腸での吸収率向上が期待できます。アクチニジンは熱や酸化によって失活しやすい成分ですが、α-オリゴ糖と合わせて粉末化することで、活性を維持できることも分かっています。
一方の酪酸菌は、名前の通り腸内で酪酸を産生する菌ですが、その材料となるα-オリゴ糖と併用することで、より効率的に酪酸を産生することができます。
つまり、プロテインとともにα-オリゴ糖、キウイフルーツパウダー、酪酸菌を摂取することで、小腸での吸収率を高めるとともに、大腸での腐敗産物産生を抑制する効果が期待できるのです。
―これらの機能性素材とプロテインを組み合わせた「パーソナル化サプリ」も提案されていますね。
寺尾 この春に、パーソナル化サプリを製造する設備を神戸の本社内に設置しました。プロテインとコラーゲンペプチドの粉末をベースに、α-オリゴ糖、酪酸菌、キウイフルーツパウダーをサポート成分として配合しています。これに、CoQ10、R-αリポ酸、マヌカハニーなどユーザーの健康状態や目的に応じてさまざまな成分をトッピングすることで、パーソナル化サプリが完成します。
錠剤やカプセルを何種類も飲むのは大変ですし、コストも高くなりますが、当社の場合はすべて粉末ですので、水や牛乳などに混ぜて手軽に摂取することができます。
オメガ3などの油脂や液状の成分もα-オリゴ糖で粉末化できるため、あらゆる機能性成分を添加することが可能です。
当社では、自社でのパーソナル化サプリの販売はあくまでモデルケースと考えており、こうしたシステムを多くの企業に活用してもらい、国民の健康寿命延伸に役立ててほしいと考えています。
―ありがとうございました。