「API’s PLUS on」(6)微粒子化飲料
第6回「微粒子化飲料」
健康食品受託製造企業最大手のアピ(岐阜市)では、多彩な製剤加工技術と原料加工技術を駆使することで最終製品に新たな魅力や付加価値を〝プラスオン〟するプロジェクト「API‛s PLUS on」を展開している。連載第6回は、不溶性の成分を超高圧で粉砕し、ドリンクへの配合を可能にする技術「微粒子化飲料」を紹介。吸収性の向上や風味・のど越しの改善といった効果も期待できるため、ドリンクやゼリーの付加価値向上に活用されるケースが増えている。
不溶性成分をドリンクに配合可能
健康食品の中でも美味しく手軽に摂取できるドリンクやゼリーといった剤形は近年人気が高まっており、市場競争も激しさを増しつつある。
そうした中、同社ではドリンクやゼリーの付加価値を高める独自の技術として「微粒子化飲料」を提案している。
微粒子化とは、成分の粒子を衝突させることでサイズを小さくする技術を指す。これにより、通常は水に溶けない原料でも分散性が格段に向上するため、ドリンクやゼリー、ペーストなど液体製品への配合が可能となる。
さらに、微粒子化することで吸収性の向上や口当たり、のど越しの改善も期待できる。
不溶性成分のクルクミンを含むウコン粉末を用いた試験では、水分散性が大幅に向上したほか、吸収性が約1.4倍となったことを確認【グラフ参照】。微粒子化によってウコンの粒子径が平均50㎛から2㎛まで小さくなったことも判明した。
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微粒子化による水分散性や吸収性の比較試験については顧客の製品でも実施できるため、販促資料や広告などに活用されるケースもある。
また一般的に粒子径を細かくすると分子間力により再凝集しやすいという課題があるが、本技術では安定剤や乳化剤の工夫により粒子の再分散性も向上させている。
同社では、最大圧力245MPaを誇る湿式粉砕装置「スターバースト」および「ホモゲナイザー」(同100MPa)を保有しており、あらゆる素材の粉砕に対応できることも強みとなっている。
菌体が凝集しやすい殺菌乳酸菌やアスタキサンチン、レスベラトロール、ローヤルゼリー、冬虫夏草、魚油、アロニアエキス、ザクロエラグ酸、プラセンタエキス、ユーグレナなどさまざまな成分で微粒子化の実績を持つほか、複数の素材を同時に微粒化することで、コンプレックス原料を開発することもできるという。
コンプレックス原料については「エビデンスベースで作用機序を『見える化』するプロジェクト『API’s CF』と連動することで、相乗効果を追求したオリジナル原料の開発なども考えられる」(担当者)といい、付加価値の高い新原料の開発にも期待ができそうだ。
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