【食品の用途特許】東京理科大教授・淺見氏に聞く

2021年7月7日

国際規約「PCT」は海外での特許取得に不可欠な手段

平成28年度より取得できるようになった食品の用途特許。健康食品業界でもこれまで多数の事業者が取得し、活用している。今回は当時、特許庁のワーキンググループの委員として基準策定に関わった東京理科大学の淺見節子教授に改めて用途特許のメリットや増加する海外進出においてどう活かすか話を聞いた。

―先生が基準策定に関わった食品の用途特許ですが、あれから5年経ちましたが、現状についてどうとらえていますか。

淺見 多くの企業が着実に権利化しています。トクホや機能性表示食品の研究開発をする際に、その成果を用途特許で保護すれば、他の企業の参入を防ぐことができます。ただ、日本の特許庁に出願して特許を取得しても、日本で独占できるだけで、中国などの海外では、参入を防ぐことができません。海外で製造したり、輸出をしたりする場合には、その国でも特許を取得することが必要です。海外での特許の取得には、翻訳費などの費用がかかりますが、効率的に特許を取得するためにPCT(特許協力条約)を利用した国際出願をすることをお勧めします。

―改めて用途特許を持つことのメリットを教えてください。

淺見 権利の行使がし易いということがあります。製品の成分が同じで、その用途の表示がされていれば、侵害したといえるので、侵害したかどうかがわかりやすいということです。そのため、日本だけでなく、韓国や欧州など海外の事業者も日本の用途特許を取得していますが、これは日本でビジネスをしていくためにメリットになるとわかっているからです。これからは中国などの事業者も日本市場を目的に用途特許を取得することが増えるのではないでしょうか。

―用途特許に関していろいろな場で講演などをされてきたと思いますが、事業者からはどのような質問が多かったですか。

淺見 用途特許については「何をしたらいけませんか?」というものが多かったです。用途特許と同じ成分の製品で……………………………………………詳細はヘルスライフビジネス7月1日号で!

【淺見先生略歴】東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了後、特許庁に入庁。医薬、有機材料、無機材料、金属、電池などさまざまな分野の審査・審判に携わる。特許庁にて審査基準室長、医療上席審査長等を経て、平成23年~24年特許審査第三部長。平成25年4月より現職。現在、産業構造審議会・知的財産分科会・特許制度小委員会委員、審査基準専門ワーキンググループ委員、日本知財学会理事などを務める。

【告知】7月30日表示規制研究会セミナーで淺見氏が「健食における用途特許の活用と戦略」を解説

健康食品における用途特許が解禁となり5年が経過した中、用途特許を取得した企業はどのように有効活用していくと良いのか。また多くの健康食品企業がコロナを契機に海外進出を積極的に進めているが、特許など知的財産をどう守っていくか、かつて特許庁で用途特許基準策定に関わった淺見氏に詳しく解説いただきます。

日時:7月30日(金)13:00~16:45 ※淺見氏の講演は第2講座です

そのほか講座は「通販会社にとってのトラブル未然防止策~不正注文被害や消費者との定期購入問題を分析する~」講師:通販コンサルタント (公社)日本通信販売協会元理事 主幹研究員 柿尾正之氏 や、広告表現研究会代表・山本浩二氏が最新の法規制についての講演など盛りだくさんの内容です。

会場:明治薬科大学剛堂会館第2会議室 (東京都千代田区紀尾井町3-27) ※有楽町線麹町駅 1番出口 徒歩4分

受講料:1万6500円(税込)

申込締切:7月28日(水)

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼申し込みはコチラから▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

https://www.health-mag.co.jp/apply/

お問合せはヘルスビジネスメディアTEL03-3839-0751 柳沼(やぎぬま)まで

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