ショウガ麹に骨代謝改善効果を確認/ヤヱガキ醗酵技研
2021年8月6日
ショウガ麹に骨代謝改善効果を確認
東京農大と共同で培養細胞モデル実験を実施
ヤヱガキ醗酵技研(兵庫県姫路市)は、ショウガを独自技術で麹菌発酵させた機能性原料「ショウガ麹」の研究で骨代謝改善を示す新たな知見を確認した。
同社では、以前よりショウガを麹菌で発酵させたショウガ麹の機能性研究を行っており、ショウガそのものと比較し寒冷刺激時の体温維持時間延伸や脂肪蓄積の抑制効果が強いこと、また乳タンパクとの相乗効果などを実証してきた。
今回、東京農業大学との共同研究にて、加齢や炎症により起こる骨粗しょう症のマウスマクロファージ培養細胞モデルの実験でショウガ麹が抗炎症作用や破骨細胞への分化を抑制することを確認した【図】。同研究では、骨粗しょう症のモデル培養細胞(RANKL刺激マウスマクロファージ細胞)にショウガ麹抽出物を各濃度で添加したところ、破骨細胞への分化を起こす転写因子NFATの活性化が、ショウガ麹抽出物の濃度依存的に抑制され、破骨細胞への分化が抑えられることが示唆された。
また、破骨細胞分化マーカーであるTRAPタンパク質が発現している細胞数とTRAP遺伝子の発現量も濃度依存的に減少していることが確認され、Cathepsin K、DC-STAMP、OC-STAMPといった同様の遺伝子の発現量も減少した。これにより、ショウガ麹がショウガの機能性を高め、ショウガにはない骨粗しょう症を抑制する機能性や、運動能の維持に役立つことが示唆された。
同社では、現在特許を出願中であり、今後はモデル動物、ヒトでも同様の効果があることを実証する研究を進めていくとしている。