未来に向けて動いたマツキヨココカラ&カンパニー ~マツモトキヨシの松本貴志氏が今、伝えたいこと(抜粋)
未来に向けて動いたマツキヨココカラ&カンパニー ~マツモトキヨシの松本貴志氏が今、伝えたいこと(抜粋)
問題を可視化・分析し解決するまで継続、 今こそ新たなイノベーションを起こす時
今月1日、我が国に新たなドラッグストアの事業体「マツキヨココカラ&カンパニー」が誕生した。その核となる事業会社・マツモトキヨシは、長らくドラッグストア業界・業態をけん引してきた立役者であり、商品開発あるいはデジタルを用いたサービスの提供で、なお先駆的な立ち位置にいる。このほど、今年4月から事業会社を率いている松本貴志氏(マツモトキヨシ社長)にインタビューした。来年で入社20年の節目を迎える貴志氏に、これまでの足跡と、進化の過程にある「マツキヨ」の今をうかがった。(取材と文=本紙編集長・八島 充)
中見出し)
新たな生活様式に応える
——事業会社マツモトキヨシにとって10月1日はどのような日になりますか?
松本社長 ココカラファイン社との統合でグループの店舗数は3,000店を超え、特に関東・関西のシェアは一気に高まります。我々にとって店舗は生活者の美と健康を支援する大切な拠点であり、その数が増えることで、お客様に一層寄り添ったサービスを提供できるようになると考えます。
今やスマホ1つで何でも購入できる時代ですが、一方で生活に身近な店舗で買い物をしたいというニーズも確実にあります。リアル店舗の優位性はEC事業者も認めるところで、とあるEC事業者が店舗運営に乗り出したのもその証左でしょう。
また、アメリカの巨大小売事業社がEC事業を強化していることから判るように、リアルとネットはこれからの生活の両輪になっていくと考えます。当社グループも今後は、3,000を超える店舗網を拠点として、デジタル技術を融合した新たなドラッグストアを標榜していかなければなりません。
今回のコロナ禍により、デジタル化を含め様々な変化の波が一気に押し寄せました。そしてその変化は、コロナ収束後も続き、生活の一部になっていくと考えられます。
我々も、新たな生活様式に応えるビジネスへの挑戦が不可欠です。このタイミングでココカラファイン社と一緒になったことは、ある意味大きなチャンスであり、共にチャレンジできることを、うれしく思っています。
マーケティングの学びが活きる
——2002年に入社され間もなく20年が経ちます。この間の業界環境と、御社の歩みを振り返っていただけますか?
松本社長 入社前の3年間在籍した製薬会社(佐藤製薬)では、ドラッグストア企業を幾つか担当させていただきました。いずれの企業も郊外型を運営されており、都市型を得意とした当社と異なる運営手法や文化に触れることができました。
その頃のマツモトキヨシは、先人の努力により業績は好調でしたが、郊外型の取り組みは遅れていました。入社前の経験を還元することが当面の使命と考え、最初の配属先も店舗運営の郊外型を担当することになりました…(続く)
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