Supplement の可能性① 「プロバイオティックス」(抜粋)

2021年10月15日

Supplement の可能性① 「プロバイオティックス」(抜粋)

プロバイオティックスは統合医療でも注目 コロナやがんにも予防だけでなく治療に応用

 「統合医療」と言うことが叫ばれた時代がある。日本でその指導的立場にいた渥美和彦(東大医学部名誉教授)は2019 年に亡くなった。1989年にこの学会「日本代替・相補・医療連合会議」が設立され、それが2年後に日本統合医療学会となった。人工心臓の研究では日本を代表する権威だった先生が、なぜ統合医療を推進することになったのか。不思議だったが、現代医学の行き詰まりを何とかかしたいと言うことが、根底にあったようだ。

 「食事や食物に含まれる機能性成分は統合医療の重要な柱としなければ」と申し上げると、「そうか、これから学んで行く」とおしゃっていたのを思い出す。しかし渥美先生の晩年、統合医療という言葉があまり聞かれなくなった。まことに残念なことだ。

 ところが、欧米など諸外国では統合医療の研究は確実に進展している。ニューヨークの統合腫瘍学会でも報告が一昨年の11 月にニューヨークで開かれた統合腫瘍学会(SIO)の第16 回の国際会議を取材した。この10 年でこの学会の取材は3 回目だが、話題を集めていたのが、がん治療と腸内細菌の問題だった。

 注目されているのは腸内細菌叢を移植する治療法だった。この講演はテキサス大学MD アンダーソン研究所やメモリアル・スローン・ケイタリングがんセンターなどの、米国を代表するがん研究の第一線の研究者が発表を行った。その中身は腸内細菌が、がん治療の合併症や副作用の抑制に効果をもたらすということだ。このなかでプロバイオティックスやプレバイオティックの治療に及ぼす可能性が明らかにされた…(続く)

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