SDGs対応の「酵母プロテイン」に注力/中原

2021年12月9日

ホエイと同等のたんぱく含有量・消化吸収率を確認

 中原(さいたま市南区、https://ssl.nakahara2001.co.jp/ )は、分岐鎖アミノ酸含有量の高さや緩やかな消化吸収速度などの特徴を持ち、SDGs対応の原料としても注目されるパン酵母由来の「酵母プロテイン」を供給している。

パン酵母(サッカロマイセス・セレビジエ)から抽出される高タンパク質源の「酵母プロテイン」。乾燥物換算で80%と、ホエイプロテインと同等のタンパク質を含み、脂肪分は3%と低い。ホエイプロテインには含まれない食物繊維を10%含有している点もポイントである。

分枝鎖アミノ酸(BCAA)の含有量は、ホエイプロテインおよび大豆プロテインよりも高く、従来のアミノ酸スコアに消化吸収率を加えた品質評価法の「タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア法」(PDCAAS)で品質を評価した結果では、酵母プロテインスコアはホエイプロテインと同等で、大豆プロテインより高いことも分かった。

加えて「酵母プロテインの消化はホエイプロテインおよび大豆プロテイン より遅いため、満腹感を高めてアミノ酸を持続的に供給することができます」(同社)という。

 また、着目すべきは「持続可能で地球環境に優しい原料」でもあるところ。製造過程で発生する二酸化炭素排出量と水の使用量が動物や植物プロテインと比較して少ない。酵母発酵に必要な栄養分はサトウキビ糖およびビート糖だが、酵母プロテインの産業廃水はサトウキビとビートの栽培の際に有機肥料として使えることなどから、SDGsに貢献しうるプロテイン素材としても積極的に提案を行っている。

 近年はホエイ・大豆を中心にプロテインの価格高騰が続いているが、酵母プロテインは価格・量ともに安定供給できることも強みである。

関連記事