バイオブラン、新たに臨床論文2報を発表/大和薬品

2022年6月9日

血中循環がん細胞の減少とインフル様感染症の予防作用

 大和薬品(東京都世田谷区)は、米ぬかアラビノキシラン「バイオブラン」の免疫賦活作用について新たに2件のヒト臨床試験が完了し、論文発表を行った。

米・ニューヨークのフレッド・ペスカトーレ博士らが実施した臨床研究では、がん患者14人に対して「バイオブラン」を一日当たり1000mg、10~19週間摂取させたところ、血中循環がん細胞(CTC)レベルの減少が報告された。

これまでも、抗がん剤や放射線治療との併用による相乗効果やQOLの向上などが報告されていたが、CTCレベルの抑制効果が確認されたのは初めて。本研究をまとめた論文は、米国の学術誌「オルタナティブセラピーズ」に掲載されている。

 一方、米・チャールズR・ドリュー大学のマンドゥ・ゴーナム博士らは、エジプトで感染症予防に関する臨床試験を実施。

 同試験では、健康な高齢の男女80人を2群に分け、「バイオブラン」またはプラセボを1日当たり500mg、3か月間摂取させ、38度以上の発熱を伴うインフルエンザ様の感染症への罹患率を比較したところ、プラセボ群は期間中に9人が感染したのに対し、「バイオブラン」摂取群はわずか2人に留まった。

この結果から「バイオブラン」を継続的に摂取することで、感染症リスクが大きく軽減されることがわかった。さらに同論文において「バイオブラン」が、ウイルス感染を検知する受容体の働きを強化することが肺上皮細胞を用いた実験により示され、感染予防に関与していると考えられた。なお、通常の摂取目安量は1日当たり1000~3000mgと設定しているが、同試験では500mgで実施したため、低用量でも感染症に対する効果を発揮することが分かった。

なお、昨年11月には学術誌「ニュートリエンツ」に本研究の論文が掲載されている。

「バイオブラン」に関する研究論文は70報以上、学会発表は140件以上に及んでおり、今後もさらなるエビデンスの蓄積と同時に、学会発表や展示会、ワークショップなどを通してその認知拡大を進めていく考えだ。

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