食品衛生基準行政、厚労省から消費者庁へ

2022年9月20日

2024年度の移管を目指し推進

 岸田内閣総理大臣は、9月2日に開催された「第97回新型コロナウイルス感染症対策本部」で、感染症対策強化への具体策の一環として、これまで厚生労働省が所管していた食品衛生基準行政を消費者庁へ移管することを発表した。

 政府では、厚生労働省の担当するいくつかの行政を親和性の高い省庁に移管することで、厚生労働省の負担を減らしスリム化することで、感染症対策強化に向け、省内の体制を整えていく。

 消費者庁では、以前より食品安全行政の司令塔機能を担っており、新たに食品衛生に関する規格・基準の策定を所管する今回の再編を機に、食品衛生についての科学的な安全を確保し、消費者利益のさらなる増進も図る目論見だ。

 また、食品安全行政と食品衛生行政を消費者庁が一元的に管理することで販売現場における規格・基準の策定や国際食品基準(コーデックス)における議論についても、安全面、衛生面を管理する消費者庁が一体的に議論に参画できるとしている。

 これまで食品衛生基準行政は、主に厚生労働省医薬・生活衛生局の食品基準審査課が担当していた。本紙が厚生労働省大臣官房人事課に取材したところによると、今回の移管対象となっている課は、この食品基準審査課とコーデックス委員会への対応を担う食品企画情報課の一部(国際食品室)だという。食品基準審査課は、健康食品の安全性確保の施策を担当する同課内の新開発食品保健対策室の関係者も合わせて50人前後おり、また、国際食品室の担当は5人いる。これらの人員も行政の移管に合わせて消費者庁に異動するイメージではあるが、具体的なことはまだ何も決まっていないとしている。

 次回通常国会で法律案を提出し、移管時期は2024年度中を目指しており、それまでに具体的な内容を詰めていく考えだ。

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