本わさび由来「ワサビスルフィニル」国内外ともに好調/金印
ブレインフォグに対する有効性も注目を浴びる
国産本わさびの老舗メーカーである金印(名古屋市中区:kinjirushi.co.jp)は、本わさびの根茎や根に含まれる芥子油の一種ヘキサラファン(6‐MSITC)を抽出・濃縮した独自素材「ワサビスルフィニル」を供給している。
同素材は、「運動習慣のない中高年の方の認知機能の一部である判断力・注意力を向上させる」といったヘルスクレームで機能性表示食品の受理実績を持ち、SRの提供など顧客の届出サポートにも対応する。
昨今は、認知症に対する予防意識の高まりから供給量は堅調に推移しているほか、「日本産の本わさび由来」というイメージの良さが評価され、海外からの引き合いも増えているという。一日当たりの摂取目安量が100㎎と少量であること、辛味や風味を除去しているため一般食品にも利用できることなども特徴だ。
今年4月には、主成分である6‐MSITCの一般名称を「ヘキサラファン」と命名した。これを機に、成分自体の認知拡大にも取り組んでいく。
その機能性に関しては、ヒト臨床試験を含む多くのエビデンスを蓄積してきたが、現在は「ブレインフォグ(慢性疲労症候群)」に対する有効性も報告されている。
新型コロナの後遺症としても話題となったブレインフォグは、「頭にモヤがかかったような状態」を指し、記憶障害や集中力低下などの症状を伴う。臨床試験では、これらの症状を持つ15人に同素材を含むサプリメントを摂取させたところ「頭がすっきりした」「言葉が出るようになった」などの改善傾向が見られ、今年6月に開催された「日本疲労学会」で研究成果が発表された。
さらに、インビトロの試験では同素材とDHA、クルクミン、イソラムネチンとの併用で神経細胞の情報伝達に関わる樹状突起細胞の伸長作用やドーパミン産生促進作用が確認された。今年5月には同研究の成果をスペインで学会発表するなど、海外のアカデミアからも注目を集めている。
今後はより幅広い年齢層を対象に「記憶力」に着目した機能性表示を目指すなど、さらなるエビデンスの強化に取り組んでいく。