20年以上の培養実績でキノコ類安定供給/ヤヱガキ醗酵技研

2022年10月12日

β-グルカン高含有品をラインアップ

 ヤヱガキ醗酵技研(兵庫県姫路市、☏079-268-8070)は、メシマコブやアガリクスといった菌糸体原料を取り扱っている。

 同社では、メシマコブをβ-グルカン20%以上で規格。アガリクスはβ-グルカンの含量をアガリクス子実体の3倍以上まで高める事に成功し、β-グルカン25%以上で規格している。

 20年以上前から医薬品の原体として菌糸体の培養を開始しており、豊富な実績と高品質で高い安全性を有した原料となっている。また、これらの原料は自社工場で培養しているため、天候や為替の影響もなく安定した供給が可能だ。

 同社では、独自製法で得たメシマコブなどの菌糸体を使った研究にも注力している。昨年発表したメシマコブに関する研究では、A型インフルエンザウイルスを用いて6週令雌性BALB/cマウスを対照群(蒸留水投与群)と実験群(メシマコブ菌糸体投与群)に分け、ウイルス感染7日前から感染14日後まで各群で蒸留水の自由摂取およびメシマコブ投与群でメシマコブ菌糸体を5mg/0.4mL/日の量で経口投与を実施。その結果、メシマコブ投与群でウイルス感染後の体重の減少の程度が抑制され、症状緩和、早期回復が確認された。また、肺のウイルス量については対照群に比べ有意にウイルス増殖を抑制したことが確認された。さらに、ウイルス中和抗体量については、気管支中において対象群に比べ増加する傾向が確認され、血清中では有意に抗体量が増加したことが示された。同社では同メシマコブ菌糸体について、胆石形成抑制効果や血糖値上昇抑制効果など生活習慣病予防に関する機能性も確認している。

 一方、アガリクスは、自然免疫の賦活効果だけでなく、獲得免疫の活性化やマウスによるリンパ球増殖亢進効果なども確認しており、ヒトデータによる安全性も確認済み。同原料は、アガリクス子実体に比べて糖質、エネルギーは少なく、食物繊維が多いことも特徴の一つとなっている。  同社では、共同開発・研究を目的とした菌の受託培養事業も行っており、幅広い相談にも対応していく。

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