DgS初の有料健康プログラム「トモズラボ」開始/トモズ

2022年10月14日

健康チェック機器と管理栄養士カウンセリングで健康寿命延伸の窓口に

オープンに際し握手を交わす徳廣社長(右)と糸賀代表

 トモズ(東京都文京区)は、店内に設置した測定機器・検査キットと常駐の管理栄養士による生活者の健康を総合的にサポートするサービス「トモズラボ」を10月7日より開始した。「トモズラボ」は保険薬局の運営などを行うマイライフ(広島県呉市)の監修のもと、同社が提供する健康プログラムと同様のサービスをドラッグストアに導入するもの。ドラッグストア初の試みとしてトモズ第一号店の池尻大橋店(東京都目黒区)からスタートする。

会員証となる「活動量計」

 「トモズラボ」では管理栄養士と健康管理を行える有料会員プログラム「トモズ健康くらぶ」、睡眠状態をデータ化し可視化する「ねむりの窓口」を提供。

 「トモズ健康くらぶ」は、プロ仕様の測定機器による健康チェックと管理栄養士によるカウンセリングを通じ、個々の健康管理データを一元化する。

 会員証となる「活動量計」で毎日の活動量を管理し、「トモズラボ」に設置された体組成計・骨健康度測定器・AGEsセンサ・血管年齢計・ベジチェックなどの測定機器が利用でき、測定結果は一元管理されスマホやPCでいつでも閲覧が可能となる。

「ベジチェック」の説明を行う管理栄養士

 

 窓口で管理栄養士による月1回の栄養カウンセリングが受けられ、健康行動に応じてトモズポイントとの交換が可能な健康ポイントを付与する。入会金は6600円、月会費1650円(共に税込)。

 「ねむりの窓口」では、「シート型睡眠センサー」を店舗で貸出し(7泊8日、税込3850円)し、結果のレポート化と健康アドバイスを提供する。

「シート型睡眠センサー」はマットレスや敷布団の下に敷いて、睡眠時間・覚醒時間・心拍数・呼吸数といった睡眠中のデータを計測できる。窓口には睡眠栄養指導師の資格を持った管理栄養士もおり、眠りの状態を基に、食事のタイミングや栄養状態などから生活リズムを整えるアドバイスを行う。

シート型睡眠センサ

また、店頭では、タッチパネル式の「みんなのがん学校」を設置。クイズ形式でがんの基礎的な知識を学べ、生活者のがん検診受診の関心を高める。クイズ終了後にはがん検診申込やがん相談支援センターのインフォメーションが記載された修了証明書が発行され、健診・受診勧奨の窓口としても機能する。

德廣社長 「〝対価を払ってでも受けたいサービス〟を実現する」

 「トモズラボ」オープンに際し、メディア向けサイトツアーを開催したトモズの德廣英之社長は「『トモズラボ』は地域医療を支える小売店として、マイライフさんの『地域の患者様の健康寿命延伸をサポートする薬局でありたい』というコンセプトに共感して実現した、ドラッグストアの新しいチャレンジとなる」と幕開けを示した。

徳廣社長、糸賀代表と3名の管理栄養士

 住友商事・トモズ・サミットが住友グループ横断で取組む「けんコミ」(健康コミュニティーコーナー)との差別化について、「トモズ独自の取組として『けんコミ』よりライトな形で店頭におけるコミュニティーを作る。『けんコミ』はサミットが持つSMとしての食事メニュー提案など〝食〟を強みとしていたが、『トモズラボ』は処方箋をもった健康に悩みを感じている人をサポートする場になる。お客様がドラッグストアに期待する〝ヘルスケア&ビューティー〟に特化したサービスであり、よりきめ細やかな専門性をもって〝対価(会費)を払ってでも受けたいサービス〟を実現する」とトモズならではの差別化ポイントを示した。

OTC医薬品、睡眠の知識を持った管理栄養士がラボに常駐

 その柱となるのが『トモズラボ』に常駐する3人の管理栄養士だ。

 トモズには約180人の管理栄養士が在籍しており、その中から「トモズラボ」専門の3名が選出された。栄養士資格のみならず医薬品登録販売者や睡眠栄養指導師の資格を有する「医と食」をつなぐドラッグストアならではの専門家だ。

 実際にマイライフが運営する広島県の薬局で研修を受けた管理栄養士たちは「健康寿命延伸のためのドラッグストア店頭で栄養指導のニーズは高まっていると感じます。処方箋をもってご来店されるお客様に、物販メインではない、健康サービスを提供する場としてお役立てしたいです。研修を受けて、お客様が栄養相談を継続的にできていない点が課題と感じました。お薬の情報は専門性が高く、相談の敷居が高いと感じているお客様もいらっしゃるので、栄養カウンセリングという身近な距離感で信頼を得ていきたいと思います」と語ってくれた。

 德廣社長は「ドラッグストアにおける管理栄養士の活躍の場を広げていきたい。そのため会員獲得のノルマは定めていない。お客様目線で笑顔を大切に『あなたたちのファンをつくりなさい』と伝えています」とサービスを提供するコミュニティづくりの土台を示す。

 糸賀代表「薬局・ドラッグストアでの栄養指導ニーズが高まっている」

 オープン当日に参加したマイライフ代表の糸賀誠氏は「日本におけるドラッグストアの役割は最終局面にあると感じている。反対に処方箋薬局は終わったともいえる。従来の処方箋薬局の役割は服薬指導が主だったが、我々は薬局で栄養指導や健康チェックをしていただき『服薬を減らす』目的でサービスを進めてきた。それこそが健康寿命延伸につながる。ドラッグストアは『食』『運動』『コミュニティ』という機能を持ちフォローが行える場所だと思う。当社も近隣のクリニックから『栄養指導を薬局でやってくれないか』という依頼も多く、クリニック受診後の楽しみにしていらっしゃる患者様がいる。当社が広島県で行っていることが東京で実現し広がっていくことでトモズさんはすごい機能を持ったドラッグストアになると思っている」と話す。

 「トモズラボ」の拡大に関して德廣社長は「サービスを柱にしたコミュニティであるため、サステナブルな形であるべき。10店舗ほど集まるエリアの基幹店に落とし込み、広げていく予定。また、超高齢社会を鑑みて、在宅医療へのサービス提供も我々の役割だと感じている。特に『ねむりの窓口』で行っている睡眠の質は、現状の医療機関では賄えきれていないと思っている」とドラッグストアの役割を示してくれた。