キウイ粉末がタンパク吸収を促進/シクロケム
αオリゴ糖がプロテアーゼ活性を安定化
シクロケム(東京都中央区、http://www.cyclochem.com/)は、ニュージーランド産のキウイフルーツをαオリゴ糖(α‐シクロデキストリン)で粉末化した独自素材「キウイフルーツαCD粉末」を供給している。
2019年に初の海外法人「コサナ・ニュージーランド」を設立した同社では、ニュージーランドの特産品であるマヌカハニーおよびキウイフルーツパウダーについて原料の加工から輸入、販売まで一貫した供給体制を確立しており、同社の主力製品であるαオリゴ糖と組み合わせた機能性の探求や新たな用途開発に注力してきた。
キウイフルーツにはタンパク質分解酵素の一種であるアクチニジンが豊富に含まれるが、一般的なフリーズドライ粉末では酵素活性が低下しやすいことが難点だった。
一方、同社ではaオリゴ糖を添加してからフリーズドライすることでアクチニジンの活性低下を大幅に抑制できることを見出しており、6か月間の長期保存や70℃の高温下においても活性が安定的に保たれたことを確認している。
アクチニジンのタンパク質分解作用については、インビトロの試験でホエイプロテイン、大豆プロテイン、フィッシュコラーゲンの低分子化を確認しているほか、ヒト臨床試験ではホエイプロテインとの併用で総アミノ酸および分鎖岐アミノ酸(BCAA)の吸収性向上効果を確認している。
近年、フレイル予防にプロテインが注目されているが小腸で分解しきれなかったタンパク質は大腸で悪玉菌に分解され、腐敗産物を発生する。そのため、アクチニジンの働きによって小腸での吸収を促進するとともに、αオリゴ糖が酪酸菌などの善玉菌に資化されることで相乗的な腸内環境の改善効果が期待できる。
さらに、キウイフルーツに含まれる水溶性食物繊維のペクチンや不溶性食物繊維のアラビノキシランの整腸作用も期待できること、機能性表示食品の関与成分にも利用されているポリフェノール・プロシアニジンを豊富に含有することなども同素材の特徴だ。
最近では、プロテインやアミノ酸を使用したサプリメントの体感性向上を目的に採用されるケースが増えており、同社としてもさらなる認知拡大に努めていく考えだ。