【ニュース解説】急成長中のメンズビューティー市場
コロナやジェンダーフリー化を背景に伸長
美容市場はコロナの打撃を大きく受けた分野の一つである。しかし、その内訳をのぞいてみると、ここ数年で需要が高まったと見られるカテゴリーも一部あることがわかった。特に変化が見られたのは「メンズビューティー」だ。男性の美容意識の高まりを背景に、主に化粧品業界で伸長している。このブームを健康食品にどう活かしていくことができるか考えてみた。
男性の化粧品購入はコロナ禍も伸長
2020年からのコロナ禍でのマスク生活や外出自粛の影響で、美容市場全体は大きな打撃を受けてきた。しかしそんな中、ここ2~3年で拡大してきた分野が「メンズビューティー」だ。最近では、基礎化粧品だけでなく、ファンデーションやコンシーラー、アイブロウなどの男性用メイクアップアイテムも販売されるようになった。
インテージ(東京都千代田区)による調査(2020年)では、コロナで化粧品全体の市場規模は前年比89%と縮小するも、男性の購入による市場規模は104%と拡大傾向にあったとしている。
メンズビューティー市場拡大の理由の1つは、コロナ禍による男性の美容意識の高まりだと言えるが、その要因には、「リモート会議で自分の姿を見る機会が増えた」「美容に気を遣う時間やお金ができた」などがあるようだ。
また、「ジェンダーフリー」を推進する社会の動きも市場拡大を大きく後押ししている。メイクアップ法をYoutubeやSNSを通して配信する男性インフルエンサーも増え、メンズメイクの体験型イベントなども開催されている。K-POPの流行など、トレンドが「男性の理想像」に変化を及ぼしたことも考えられる。
アイスタイル(東京都港区)が実施した女性のメンズビューティー受容に関するアンケート調査(昨年4月)では、女性の約7割が男性のメイクアップを受容しており、この値は約2年で25%上昇したとしている。
「男らしさ」「女らしさ」といった価値観を払拭する風潮がいわゆるZ世代を中心に広がり、これまでの「美容=女性」といったイメージが変わりつつあるようだ。
【→続きは『ヘルスライフビジネス』12月1日号に掲載】