「メタボローム解析サービス」を開始/Noster

2022年12月21日

生体内で変化する代謝システムの把握を実現

 Noster(京都府向日市、☏075-921-5303)は企業・アカデミア向けの新サービスとして腸内細菌の脂肪酸代謝物に特化した「メタボローム解析サービス」を今年5月より開始している。

 企業や大学、研究機関向けのサービスとなっており、糞便や血液などの検体(ヨーグルトなどの加工食品や生鮮食品も対応可能)を郵送するだけで解析を行ってくれる。代謝物全体を解析することで、生体内での代謝システムの変化について把握できることから、疾患が起こる仕組みを分子レベルで把握する等、腸内の研究における探索ツールとして活用できる。企業向けは1検体につき20万円からとなっており、アカデミア向けは専用の価格として応相談で対応。研究では通常、複数検体の解析を必要とするケースも多いため、複数検体による価格割引も行っている。納期は1~2カ月ほどで、相談段階から対応が可能。同社ホームページや電話にて問い合わせを受け付けている。

 こうしたサービスを実施するには、同社のような定量分析を可能にする幅広い化合物のライブラリーが必要であり、Nosterでは、独自の腸内細菌培養・合成技術により構築した脂肪酸代謝産物である「HYA」など、300種以上の脂肪酸代謝物ライブラリーと1600株以上の難培養の微生物ライブラリーの構築を実現している。

 「メタボローム解析サービス」は、こうしたライブラリーを活用し、食事由来の油に含まれるリノール酸、αリノレン酸、γリノレン酸を基質とする腸内細菌脂肪酸代謝物(現在38化合物)に特化した独自の解析サービスとなっている。

 また、依頼検体が糞便の場合には、オプションとして「腸内菌叢解析サービス」も実施できるため、腸内細菌と脂肪酸が関連する幅広い研究領域に応用することも可能だ。  同社では、脂肪酸代謝物を包括的に解析する手法を、慶應義塾大学薬学部の有田誠教授との共同研究で確立しており、今年9月にこの研究成果が学術誌「Medical Mass Spectrometry」に掲載され、今後も研究開発にも力を入れていく方針だ。

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