信州伊那産の赤松活性炭が肥満抑制
2023年1月5日
信州大学医学部らの研究で明らかに
信州大学医学部(長野県松本市)の田中直樹教授らの研究チームは、信州・伊那産の赤松を原料とする「酸性活性炭」の肥満抑制作用を確認し、12月16日に開催された「信州機能性食品開発研究会」でその成果を報告した。
同研究では、マウスに①通常食、②高脂肪食、③高脂肪食+酸性活性炭をそれぞれ12週間摂取させ、体重の変化を比較。その結果、②の群では著しい体重増加が認められたが、③の群では通常食とほぼ同等の体重に抑えられたことが分かった。
さらに、③の群では糞便に含まれる胆汁酸、コレステロール、中性脂肪、脂肪酸の量が②の群の2~4倍に増加していたことから、酸性活性炭が食事中脂質の排泄を促したと考察している。
本研究に使用された酸性活性炭は、信州伊那地域の特産物である赤松の活性炭を原料としているが、通常の活性炭がアルカリ性であるのに対し、同素材は海洋深層水を用いて酸性に加工されており、優れた脂質の吸着性能を示すことが特徴。
今後は、同研究をもとにより優れた有効性と安全性を有する酸性活性炭の開発を進めていくとともに、肥満や生活習慣病予防に役立てたい考え。
なお、研究チームには炭や水素などを活用した機能性食品の原料供給を行う炭プラスラボ(横浜市港南区、 http://www.sumi-plus.jp/ )も参加した。