ウエルシア松本社長がイオン執行役兼職へ/ウエルシアHD
ウエルシア×イオンの協業が加速
ウエルシアホールディングス(東京都千代田区)は、2023年3月1日付で、代表取締役社長の松本忠久氏がイオンの執行役ヘルス&ウエルネス担当を兼職することを明らかにした。
ウエルシアHDは先般、子会社のウエルシア薬局の代表者異動を3月1日付で行うと発表したばかり。代表者異動では、ウエルシア薬局の代表取締役社長を務める松本氏が、新たに代表取締役会長に就任。取締役副社長 東日本担当 兼 首都圏支社長であった田中純一氏が代表取締役社長に就く。
異動の理由は「企業価値向上のため経営体制のさらなる強化を目指し実施するもの」としている。
代表者異動と兼職の二つの異動が行われる3月1日付で、松本忠久氏は
・ウエルシアホールディングス 代表取締役社長
・ウエルシア薬局 代表取締役会長
・イオン 執行役 ヘルス&ウエルネス担当
を兼任することになる。
近年イオン九州・イオンタウンとのグループシナジー創出が顕著
ウエルシアHDは昨年、九州を中心に総合スーパー、スーパーマーケット、ホームセンターを展開するイオン九州(福岡県福岡市)と共同出資による合弁会社「イオンウエルシア九州」を立ち上げ、イオングループ内での協業を進めている。
ドラッグストア企業トップの売上を誇るウエルシアHDだが、合弁会社設立の記者会見で松本氏は「ドラッグストアは今のままでは生き残れない」と危機感を滲ませていた。
そこでウエルシアHDの持つ「調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営の知見」を活かし、イオン九州の持つ「生鮮・デリカを含めたスーパーマーケット運営の知見」と組み合わせた新業態の設立に踏み切った。
また、イオングループ内で都市開発を担うイオンタウン(千葉県千葉市)が展開するショッピングセンターにも積極的に参入しており、ウエルシアHDは単なるテナント出店を越えた「街づくり」にも関わり、グループ内のシナジー創出に力を入れている。
イオンは〝ヘルス&ウエルネス〟〝アジア〟部門を強化へ
イオンは2025年度に向けた中期経営計画の成長戦略において、「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」を挙げている。そこでは〝グループ横断で健康に関わるトータルソリューションの提案〟を掲げており、イオングループに所属するウエルシアの松本氏の実行力に期待する狙いがある。
その〝本気度〟は今回の機構改革にも現れている。
イオンは昨年3月1日付に発表した機構改革において「ヘルス&ウエルネス担当」に〝責任者〟を置いていた。今回〝執行役〟としてウエルシアの松本氏を招聘したことで、「ヘルス&ウエルネス担当」を重要な部門として位置付けたことがうかがえる。
中期経営計画の成長戦略の一つ「アジアシフトの更なる加速」に当たる、新設された執行役付担当部署も発表された
執行役中国担当に後藤俊哉氏(現・イオンリテール取締役専務執行役員 商品担当)
執行役マレーシア担当に大野惠司氏(現・イオンマレーシア取締役社長 ※兼任)
執行役ベトナム担当に古澤康之氏(現・イオンベトナム取締役社長 ※兼任)
が就任し、主にアジアを中心とした海外事業も執行役付担当部署となった。
↓↓↓ 購読(電子版・紙版)のお申込みは以下よりお願いします ↓↓↓