ファンケル、中国サプリメント売上3年後に3倍へ
コロナの影響で前期業績は減収減益
ファンケル(島田和幸社長)は今年度を初年度とする第3期中期経営計画において、国内外の持続的な成長を実現する方針を固めた。2021年3月期業績はインバウンドを含むコロナ禍のマイナス影響で減収2ケタ減益となったが、海外事業の成長などで回復基調に戻す。コロナの影響を除けば健闘した国内健康食品事業も、機能性表示食品を中心とした製品開発と既存製品の定期的なリニューアルで売上を伸ばす。
「内脂サポート」も主力製品に
21年3月期は売上高が前期比9.4%減の1,149億0,900万円、営業利益が18.0%減の115億7,600万円、経常利益が17.7%減の117億8,400万円、当期利益が19.7%減の80億1,600万円で着地した。主要部門の売上高は化粧品が14.2%減の651億4,000万円、栄養補助食品が6.4%減の411億9,100万円、発芽玄米と青汁を含むその他は24.1%増の85億7,800万円だった。
期中の国内の健康食品は、機能性表示食品の「内脂サポート」が「カロリミット」に次ぐ主力製品に育ち、機能性表示食品トータルの売上高を230億円とした。またBtoBビジネスではダイドードリンコ、ネスレ、永谷園に加えキリンHDグループとのコラボも本格化し販路を拡大している。基盤強化中の中国の健康食品事業は、越境ECが想定以上のペースで拡大している模様である。
22年3月期は収益認識基準を適用し、基準適用後の比較で増収増益を見込む。売上高伸び率は化粧品3.2%増に対し栄養補助食品が7.5%増と予想する。なおインバウンドの売上はゼロベースで算定している。
さらなるブランド浸透も狙う
中計最終年度の23年3月期は売上高1,200億円(21年3月期比149億円増)、営業利益150億円(同35億円増)と計画した。こちらもインバウンド需要はゼロベースで算定した。売上高伸び率は化粧品事業が3.7%増、健康食品事業が6.7%増を見込む。特に健康食品は国内3.8%増に対し海外は32.1%増で、越境ECを中心に中国事業を3年間で3倍の売上高60億円に高める計画を立てた。
国内の健康食品は、40~50代をターゲットにした生活習慣病対策サプリを成長ドライバーに位置付広告投資も強化する。またコロナ禍で注目された分野の機能性表示食品を発売し売上を拡大する。BtoBビジネスもキリンHDほかとのコラボを促進し、ファンケルブランドの浸透と、サプリメントの潜在ユーザーの開拓を図る。