ドラッグストア売上高8兆7千億突破も伸び鈍化/JACDS

2023年3月28日

アフターコロナで消費動向も変化

 一般社団法人日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)はこのほど、都内で記者会見を開催。「第23回(2022年度)日本のドラッグストア実態調査(結果速報)」を発表売上高は8兆7,134円と引き続き好調を維持しつつも、成長率は102%と前年の伸びを下回った。

売上高前年比構成比
全体8兆7,134億円102.0% 
調剤・ヘルスケア2兆8,463億円104.2%32.7%
ビューティーケア1兆5,729億円101.6%18.0%
ホームケア1兆8,878億円99.5%21.7%
フーズ・その他2兆4,064億円101.7%27.6%
第23回(2022年度)日本のドラッグストア実態調査(結果速報)
田中事務総長

 実態調査の速報によると、2022年度のドラッグストア業界の売上高は8兆7,134億円(前年比102%)となった。成長率(前年比)は2017年度より104~106%の伸びを見せていたものの、今回102%の伸びにとどまった理由について、JACDSの田中浩幸事務総長は「2025年の10兆円産業化に向け、今回の成長率はやや落ち着いた印象を受けるが、市場が飽和状態だとは捉えていない。前回の成長率が106%という高い伸び率だったため、その反動があったと考えている」と語った。

 今回の速報値は、JACDS会員企業による11月近辺での決算数値であり、昨年末のインバウンド需要や抗原検査キットの販売売上などが反映されていない。

化粧品復調もホームケアは前年割れ

 売上の内訳をみると、ビューティーケアが前年比101.6%と復調の兆しを見せ、反対にホームケアが前年比99.5%と昨年を下回った。

 田中事務総長は「ビューティーケアは昨年度、一昨年度と新型コロナの影響を受け、前年割れしていたが、一部店舗でのテスター利用の復活や、外出機会増によって盛り返しつつある。一方で昨年度、一昨年度と好調だったホームケアが前年割れを起こしているが、新型コロナでの需要が好調過ぎたと捉えている」と分析した。


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