EC‐12乳酸菌、メンタルヘルスで特許取得/コンビ

2023年8月2日

腸内細菌化を介して脳の遺伝子発現を変化

コンビ(さいたま市桜区:combi.co.jp)は今年4月、主力素材の殺菌乳酸菌EC‐12において、「不安障害及び/又は気分障害を改善または予防するための組織物」として新たな特許を取得した。

 同社ではこれまでの研究で、EC‐12の整腸作用や免疫調整作用をはじめ、メンタルヘルスや内臓脂肪量の低減効果などのさまざまな機能性を解明してきた。

同素材がメンタルに及ぼす影響については、雄性マウス16頭を対照群とEC‐12摂取群に分け、4週間の被験物質給与後、行動試験と生体試料採取を行い評価している。

始めに、動物の不安や恐怖の度合いを測るために用いられるオープンフィールド試験を実施。マウスは身体の一部が壁に接していた方が安心するため、正方形の空箱内でのマウスの滞在場所は不安感が強いほど角や壁際が多くなるが、EC‐12摂取群では中心ゾーンの滞在時間が有意に増加した。次に、高架式十字迷路試験を実施したところ同様にEC‐12摂取群において壁のない中心ゾーンの滞在時間が増加し、不安より好奇心が勝る傾向を示した。

そこで行動変容を示したマウスの前頭前野の遺伝子発現の変化を調べたところ、EC‐12摂取により神経伝達物質受容体であるβ3アドレナリン受容体遺伝子Adrb3、アルギニンバソプレシン受容体遺伝子Avpr1a、ドパミンD5受容体Drd5の遺伝子発現量が有意に高値を示した。さらにマウスの腸内細菌化を解析したところ、Butyricicoccus属細菌の占有率が高値を示した。

これにより、EC‐12が腸内細菌化を介して脳の遺伝子発現を変化させ、不安の抑制に働くといった脳腸相関のメカニズムが示唆された。

コンビでは、現代のストレス社会に有用な乳酸菌としてEC‐12を提案していく。

またEC‐12は、「腸内のビフィズス菌を増やし、腸内環境を改善する機能」のヘルスクレームで機能性表示食品に対応しており、顧客の届出サポートにも注力している。

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