冬虫夏草、認知機能で機能性表示受理/第一工業製薬

2023年9月26日

睡眠や男性機能に関する知見も明らかに

第一工業製薬(京都市南区:dks-web.co.jp)は、国産の蚕のサナギを培地とした冬虫夏草を独自の技術で培養・育成する「カイコハナサナギタケ冬虫夏草」の原料供給を行う。

同社のグループ会社であるバイオコクーン研究所では20年以上、冬虫夏草に関する研究に尽力してきた。そのなかでカイコ冬虫夏草抽出物の老化促進マウスへの経口投与による海馬の修復作用を確認。認知機能の改善に関与する成分として環状ペプチド「ナトリード」を発見した。

今年2月には、同素材のサプリメントが「中高年の認知機能の一部である認知機能速度や視覚的な記憶力を維持するのに役立つ(抜粋)」としたヘルスクレームで機能性表示食品の届出が冬虫夏草として初めて受理された。

ヒト臨床試験では、健常者及び軽度認知障害者の90人を①高用量群(ナトリード1.92㎎/日)②低用量群(ナトリード0.96㎎/日)③プラセボ群に分け、12週間の摂取期間後にCognitrax検査を実施した結果、②低用量群において③プラセボ群と比較して、視覚記憶力スコア及び認知機能速度スコアの有意な上昇が認められた。この結果より、機能性表示食品での摂取目安量は0.96㎎/日としている。

細胞試験では、ナトリードによるアストロサイトの増殖、ミクログリアの炎症抑制、神経細胞の成長促進などの作用が明らかとなっている。グリア細胞に働きかけるメカニズムが脳機能素材としての差別化に繋がっており、今までの食経験から体感性の高さも示されている。

さらに、睡眠のの質の改善に関するデータも取得。モニター試験では、OSA睡眠調査票でカイコ冬虫夏草摂取群での「起床時眠気」のスコア向上、脳波測定で「デルタパワー(熟眠度や眠りの深さ)」の改善を確認した。

このほか、男性機能に関してテストステロン濃度の増加作用を確認している。これらに関する新たなヘルスクレームでの機能性表示食品の届出も視野に入れている。

純国産の冬虫夏草原料として国内外問わず引き合いが増えており、今後は展示会や「日本脳サプリメント学会」などの学術学会を通して「カイコハナサナギタケ冬虫夏草」の認知拡大を目指しつつ、更なる研究に注力していく。

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