【インタビュー】日本食品エビデンス協会 渡邉憲和氏

2023年11月20日

安全性情報、著作権法を理解した上で柔軟な対応を

機能性表示食品の受理件数は8000件も目前となり、順調に市場拡大を続ける一方、今年は「6.30景表法事件」に端を発する科学的根拠の問題や「PRISMA声明2020」に準拠した新ガイドラインの公表、安全性情報の引用に関する問題など、制度を巡る課題や問題が続出した。本紙では、日本食品エビデンス協会(https://food-evidence.jp/)理事で薬事法マーケティング事務所( https://yakujihou-marketing.co.jp/ )代表の渡邉憲和氏に、新ガイドラインの状況や安全性情報の対策、協会としての取組みなどを語ってもらった。

―9月29日に新ガイドラインおよび質疑応答集が公開されました。

渡邉 「PRISMA2020」への対応は令和7年4月まで移行期間が設けられましたが、届出様式はすでに変更されています。これに対応していないと差し戻しになりますので、ミスや漏れがないよう注意が必要です。

最近では「totality of evidence」の観点に基づいた科学的根拠への細かい指摘が増えているように感じます。消費者庁の考え方を理解し、適切に対応していくことが重要です。

―ガイドラインと同時に質疑応答集が改正され、国立栄研のデータベースが引用できなくなったことも問題となっています。

渡邉 ガイドラインが改正された9月29日以前に届出されたものに関しては、国立栄研のデータベースを引用していても他に不備が無ければ受理されるようです。

改正後に届出されたものに関しては、国立栄研の情報を引用しているだけで差し戻しとなるため、届出資料にデータベースの情報を引用していた場合、別の方法で安全性を評価する必要があります。

具体的には「ナチュラルメディシンデータベース」や「食品安全総合情報システム」など他のデータベースを利用する、米国FDAのGRASやEUのEFSAなど海外の安全性情報を引用する、「PubMed」などに公開されている論文から安全性に関する記載を引用し、取り纏める、といった方法があります。他にも書籍など公表されている著作物に関しては引用が可能ですので、著作権法を理解したうえで、柔軟に対応することが望まれます。

―貴協会ではどのように対応されていますか。

渡邉 当協会では機能性表示食品の届出資料確認や、制度解説のセミナー開催などに取り組んできましたが、新ガイドラインへの対応や安全性情報の修正についても多くのお問合せを頂いています。

PRISMA2020に則ったメタアナリシスの実施や安全性に関するレビューの作成などもサポートしておりますので、対応にお困りの企業の方はお気軽にご相談ください。

また、協会の賛助会員向けに機能性表示食品制度の最新動向や留意事項などを解説した動画の配信サービスを今年10月からスタートしました。

「改正ガイドラインのポイントおよび最新届出事例の解説」は、無料の仮入会登録をしていただくと11月30日まで無料でご視聴できます。

さらに、会員限定で「PRISMA2020への対応で留意すべきポイント」や「今後の安全性情報の記載方法と公的機関データベースの代替情報」の解説動画が視聴いただけます。今後も、「差し戻しを受けやすいポイント」など、月1〜2本ほどのペースで動画を公開していく予定です。ご興味のある方は、当協会のWEBサイトをご参照ください

―ありがとうございました。


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