尿酸値にアプローチ、新乳酸菌/げんてん本店
「ビーズ原料」や「リポソーム原料」など、ユニークな提案をスピーディーに展開するげんてん本店(和歌山市、TEL:073・435・0607)は、2種類の乳酸菌をプレミックスした新素材「LM GH‐70」を上市した。痛風に苦しむ社員のため、研究員が新素材に関する調査を迅速に進め、開発に至った同素材。2種類の乳酸菌が異なる作用機序で尿酸値にアプローチすることで、高い効果が期待できる。2024年の注力素材として、5社限定で販売パートナーを募集していく。
高めの尿酸値にダブルのアプローチ
同社ではヒトの体内における尿酸の蓄積および排泄量の減少が高尿酸血症と密接に関連していることに着目し、これらの課題を解決する機能性素材の探索に着手。「当初はプリン体が尿酸に分解されるのを防ぐために、ウリカーゼのような尿素分解酵素をサプリにすれば良いのではと考えていましたが、実際にインビボで効果を発揮させることが難しかったため、最終的には乳酸菌にたどり着きました」(同社研究員)という。
しかしながら、同社が着目した乳酸菌は過去の研究で尿酸の分解作用が示唆されていたものの、「確証のあるデータではなかったためラット試験の結果を確認したうえで、発売を決めました」(同)と話し、社員の痛風発症から1年弱で上市に漕ぎつけた。
高尿酸血症への有効性が示唆されている2種類の乳酸菌を用いたラット対象の試験では、8週齢で体重が240~260gの健康なメスラット48匹を①標準食群(陽性対照PC)、②高尿酸モデルグループ(陰性対照NC)、③高尿酸モデルに菌株1を摂取させる群、④高尿酸モデルに菌株2を摂取させる群の4つのグループ(各12匹)に分け、陽性対照と陰性対照グループは標準食を与え、 菌株1と菌株2グループはそれぞれの乳酸菌を添加した標準食を21日間摂取させた。8日目には、陽性対照以外のすべてのグループに尿酸の代謝を阻害する医薬品のオテラシルカリウムおよびアデニンを与え、14日間にわたって高尿酸血症を誘発。試験終了後、12日にわたって断食し、その後血液サンプルを採取した。
その結果、陰性対照 群では、陽性対照群と比較して血中の尿素窒素(BUN)、クレアチニン(CRE)、尿酸(UA)のレベルがすべて上昇。一方、菌株1を与えたグループは、血清中のUAレベルが陰性対照群の94%に抑制され、同じく菌株2を与えたグループでは陰性対照群の75%に抑制された。いずれの群もBUN、CRE、UAレベルはすべて陰性対照群よりも低いことが確認され、いずれの乳酸菌においても高尿酸血症の進行を予防できる可能性が示唆されている。
同社では「興味深いことに、陽性対照群と菌株2グループのUAレベルには有意な差がなく、これは菌株2が高尿酸血症を効果的に抑制することが示されています。特に、菌株2の場合、抗酸化システムを修復することで、炎症を抑制する可能性も示唆されています」と分析。「試験の結果、これらの乳酸菌はプリン体が酵素によって尿酸に分解されるのを抑制するとともに、尿酸の結晶化を抑制することも判明しました。つまり、尿酸の『生成抑制』と『分解促進』というダブルのアプローチによって、高尿酸血症を抑制する効果が期待できます」と説明する。
今年は新リポソーム原料なども発売
同社では、これら2種類の乳酸菌をミックスした独自素材「LM GH‐70」の販売先を5社限定でリリースした。
生菌末のため、剤型はカプセルもしくは粉末品を想定。摂取目安量は150mg/日と設定し、ハードカプセルであれば1日1粒で摂取目安量を満たすことができる。
なお、同社では「LM GH‐70」のほか、独自の技術とネットワークを活用したユニークな新素材を複数上市する予定。
「スピード感を持って、他社が探せない体感のある独自原料を、エビデンスとともに提案していきます」(同社)として、積極的に展開していく。