【インタビュー】阿部養庵堂薬品 阿部朋孝社長
「NMNのパイオニア」としての責任果たす
2019年秋、NMNブームに先駆けて「NMN Sirtuin」シリーズを発売したノルデステ。昨年5月には「阿部養庵堂薬品」(https://corp.abeyoando.co.jp/)に社名変更し、自社ブランドを一新。1日当たり3gという圧倒的な高用量の新製品を発売し、話題となった。同社の阿部朋孝社長にNMNに注目したきっかけや社名変更の経緯、製品に込める思いなどを聞いた。
―NMNに注目されたきっかけは。
阿部 1984年に私の父(阿部和重氏、現会長)が「ノルデステ」を設立し、長年にわたってプロポリスやアガリクスをはじめとした南米産の健康食品原料の輸入やOEM製造を手掛けてきました。
私自身は2011年に入社し、当初は南米産のスーパーフードや強壮ハーブに注力したのですが、なかなか軌道に乗せることができませんでした。OEMのお仕事も頂いていたのですが、当時は品質よりもコストを重視するような案件が多く、次第に「本当に良い商品を作ってお客様に届けたい」という気持ちが強くなっていきました。
そうした中、2015年の正月にNHKの番組で「老化を抑制し、寿命を延伸する可能性がある物質」としてNMNが取り上げられているのをたまたま目にしました。
直観的に「多くの人々の不老長寿に役立つ商品が作れるのではないか」と思い、1年以上かけて世界中を探し回った結果、高品質のNMNを入手することができました。
そして、実際に自分たちでモニター試験を行ってみたところ、見事にサーチュイン遺伝子が活性化されたため「これは本当に効果がある」と確信したのです。
―2019年には自社製品を発売されました。
阿部 他社に先駆けてNMNのサプリメントを発売したかったのですが、当時NMNは食薬区分に収載されておらず、食品として輸入することもままならない状況でした。
当社では南米ハーブをはじめ、日本に輸入実績のない食品素材を多数取り扱ってきた経験がありますが、NMNの通関には大変苦労しました。
それでも、当社では日本の企業で初めてNMNを食品として輸入することに成功し、2019年10月に自社製品「NMN Sirtuin」を発売することができました。
また、厚労省に自社の研究データを提出するなど食薬区分改正を働きかけた結果、翌春にはNMNが「非医薬品」リストに収載されました。
発売に至るまでは非常に苦しい思いをしましたが、発売後には多くのお客様から喜びの声をいただき、これまでの苦労が報われたと感じました。
―「阿部養庵堂薬品」に社名変更された経緯は。
阿部 「ノルデステ」が設立されたのは約40年前なのですが、過去の資料によると、阿部家としての創業は1731年(享保16年)に初代・阿部養庵貞維が漢方医として舘林藩の越智松平家に仕えたことに遡ります。
さらに、江戸時代の末期には5代目・阿部養庵貞一が緒方洪庵の適塾で福沢諭吉らとともに蘭学を学び、幕末の騒乱を経て1874年(明治7年)には6代目・阿部實が日本で最古級の薬局を開業したとの記録が残っています。そして私自身も祖父と父が健康食品の分野で仕事をしているのを見て育ってきました。
振り返ると、阿部家では伝統を大切にしつつも常に新しい技術を取り入れ、人々の健康のために尽くしてきたことが分かりました。こうした阿部家の歴史を継承していきたいという想いから「阿部養庵堂薬品」への社名変更を決意しました。
―自社ブランドのラインアップも大幅にリニューアルされました。
阿部 NMNは高価な原料であるため、一般的なサプリメントは摂取目安量を1日当たり125~250㎎程度に設定したものが主流です。
しかし、動物試験では体重1㎏当たり100~500㎎の投与での有効性が報告されているため、従来の摂取目安量では全く足りないのではないかと考えました。実際に、米国では摂取量を1日当たり1~2gと設定した臨床試験も多数行われています。
そこで、昨年発売した「養庵堂NMN90000」は、1日当たり3gという業界最高レベルの量を配合しました。同時に、体内の補酵素を長時間持続させる「ロングエフェクト」処方を採用し、圧倒的な体感性を追求しています。
実際に、ヒト臨床試験では28日間の摂取で血中NMNおよびNAD+濃度の上昇など、確かな効果が認められました。医師の所見によって、安全性に問題がないことも分かっています。
現在も東京大学医学部や京都大学医学部、東京理科大学など7大学と共同研究を進めており、引き続きNMN摂取による健康効果と安全性を証明していきたいと思います。
―今後の展望を。
阿部 最先端の生命科学に基づいた高品質のNMNプロダクトを通して、国内のみならず世界の人々の健康と若さに貢献していくことが当社の使命だと考えています。
2024年は、NMNの一大市場である中国や急速に需要が増加しているベトナムをはじめ、海外での展開もさらに加速していく予定です。
同時に「NMNのパイオニア」としての責任を果たすべく、さらなる機能性と安全性を追求し、「NMNといえば、養庵堂」と言われるような企業に成長して参ります。
―ありがとうございました。