「免疫ビタミン」LPSの普及にまい進/自然免疫応用技研
自然免疫応用技研(香川県高松市)では、2006年の設立以来、「免疫ビタミン」といわれ注目されるLPS(リポポリサッカライド)を初めて産業界に出した「LPSのパイオニア」として長年にわたって研究開発および製造販売に力を入れてきた。
同社が取り扱うLPSは、イネや小麦、リンゴなどの植物に共生するグラム陰性菌の一種・パントエア菌を由来とし、サプリメントの他、化粧品、ペット向けサプリ、飼料などさまざまな用途の原料をラインアップ。製造方法や用途、物性など各種特許も取得済みだ。
近年はコロナ禍によって消費者の免疫に関する意識が向上し、LPSに対する引き合いも増加傾向にあるという。米国のNDI(新規栄養成分)およびGRAS認証も取得しているため、海外からの問い合わせも多い。
LPSの機能性に関しては、マクロファージの活性化を介した免疫賦活作用をはじめ、抗ウイルス、抗腫瘍、抗アトピー、創傷治癒、数多くのエビデンスを積み重ねてきた。同時に、食品や化粧品用途での安全性に関しても万全のデータを揃えている。
昨年は、目や鼻のアレルギー症状の抑制効果をヒト臨床試験で確認。海外の学術誌に論文を発表している。同研究では、軽度アレルギー体質の成人男女63人を2群に分け、LPS含有食品またはプラセボをそれぞれ8週間摂取させ、目鼻のアレルギー症状および抗アレルギー薬の使用状況を比較した。その結果、抗アレルギー薬の使用頻度と強度の低下、および抗アレルギー薬の使用を考慮した症状スコアの軽減が報告された。
なお、本試験は花粉の飛散時期を含む1~4月に実施されたことから、LPSの摂取が花粉やホコリ、ハウスダストなどによる目や鼻のアレルギー症状を軽減する効果があると結論付けた。将来的には機能性表示食品の届出も視野に、さらなる研究に取り組んでいく。
この他、同社ではLPSの認知機能改善効果やアンチエイジング効果に着目しており、特に認知機能に関してはマウスを用いた試験で認知症の予防改善効果が示唆されたことから、ヒト試験へのスケールアップも検討している。
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