アジア・グローバルヘルス・サミット開催/香港貿易発展局

2024年5月28日

AIなどを活用したヘルスケアの最新のイノベーションについて議論

5月16・17日、香港エキシビジョン&コンベンションセンターにて、第4回アジア・グローバルヘルス・サミットが開催された。同サミットと同時開催で香港国際メディカル&ヘルスケア・フェアも開催。ヘルスケアサミットには40を超える国から2800人以上の業界関係者が来場した。

 

「香港をメディカルヘルスの中心地に」


 今回で第4回目となる「アジア・グローバルヘルス・サミット」(香港特別行政区政府(HKSAR)・香港貿易発展局( HKTDC ) による共催) は、「Innovation.Inclusion.Impact(革新・包括・影響)」をテーマに、80名を超えるヘルスケアの専門家が、神経科学、精密医療、中医学の最新動向を含む、グローバルヘルスに関するアジアサミットで将来を見据えたトピックについて議論を交わす機会となった。

アジア・グローバルヘルス・サミットには、多くの業界関係者が聴講していた
HKTDCのピーター・ラム会長

 同サミットでは、香港が提供する多様な産業チェーン、および技術研究開発、ベンチャーキャピタル、医療技術ソリューション、医療機器製造、ヘルスケア製品、サービスの領域について最新情報が共有され、さまざまな医療分野でのプロジェクトやテクノロジーを紹介するとともに、世界のイノベーション拠点としての香港の強みをアピールした。開会式では、HKTDCのピーター・ラム会長が登壇。ピーター・ラム氏は、「ヘルスケアの発展には、皆で手を取り合い協力していくことが必要。イノベーション、インクルージョン、インパクトに繋がっていくAIなどデジタル技術をヘルスケアに生かし、香港を中心にヘルスケア市場の発展に寄与していく。このサミットで投資家やサポーターとの新しいコネクションを通じて、香港メディカルヘルスを中心地にしていきたい」と思いを述べた。

HKSAR行政長官・ジョン・リー氏

 また、HKSAR行政長官であるジョン・リー氏は、「パブリックヘルスは人類発展の基礎である。香港では現在金融・サイエンス・教育が進んでおり、ITやAIを生かした新薬開発などのイノベーションは、深センなど香港を含む周りの州が担っている。特にヘルスケアに関する研究には熱心で、これらのテクノロジーの躍進は香港政府の優先事項であり、国際テクノロジーのハブになっていきたい」と語った。

 同サミットに、日本からはAIメディカルサービスやエーザイも参加。「Empowering Healthcare with Artificial Intelligence(人工知能でヘルスケアを強化)」という講演で、AIメディカルサービスの多田智宏代表取締役が登壇。多田氏は、「今回のサミットを通じて、AIの医療機器は医者の診断支援のツールであるというコンセンサスを取りたい。まだまだAIにいずれ支配されるという誤った認識があり、そうではなくAIは医師のミスをふせぐためのものであり、その一番の恩恵は患者にある。今回はそれを知ってもらういい機会だと考えている」と話した。

 また、「Advancing Healthcare in Asia Through Innovation(イノベーションを通じてアジアのヘルスケアを推進)」の演題ではエーザイの岡田靖COOが登壇。岡田氏は、「日本と香港、二国のイノベーションに期待している。香港はアジアの中心であり、日本企業は他国の会社と協力することで医療に関するさまざまな情報などがシェアできる」と語った。

AIメディカルサービス 多田智宏代表取締役
エーザイ 岡田靖COO

メディカルフェアではサプリメントなども


 同時開催された第15回「香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア」では、60の国と地域から12,000人以上のバイヤーが来場。

 

 日本からもSL Creations(東京都大田区)などが出展。同社は、企業の福利厚生サービスの一環としたヘルシー社食サービスの提案を行っていた。

中国のNMNのOEM企業も出展

 同展示会には、そのほかにも各国から最新の医療機器や医療向けロボット、AIシステム、健康機器、ヘルスケア雑貨などを提案するブースが並び、高麗人参や霊芝といった漢方の販売企業やNMNなどのサプリメントのOEM企業なども参加。会場は多くの業界関係者で賑わっていた。


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