消費者委で食品表示基準改正の方向性を議論

2024年6月7日

食品表示部会の議論踏まえて改正案諮問へ

消費者庁は6月6日に開催された消費者委員会食品表示部会で、先月末に政府が取りまとめた機能性表示食品制度食品に関する対応方針を踏まえた表示基準一部改正の方向性を明らかにした。

食品表示基準改正の方向性としては、

①過去に届出実績のない新規の機能性関与成分については機能性や安全性の課題について専門家の意見を聴く仕組みを導入するなど届出の確認をより慎重に行うため、特例的に届出期限を販売の120営業日前とすること

②サプリメント形状の製品に関してはGMPに基づく製造管理を遵守事項とすること

③医師の診断による健康被害を把握した場合は当該食品との因果関係が不明でも速やかに消費者庁長官および都道府県知事等に情報提供することを届出者の遵守事項とすること

④届出者が届出後の遵守事項を遵守していることを定期的(年に1回)自己評価し、その結果を消費者庁に報告すること

⑤機能性表示食品がトクホとは異なり国の評価を受けたものではない旨や医薬品等との相互作用や過剰摂取防止のための注意喚起を具体的に記載すること

などが示された。このうち、②~④については遵守しなかった場合、機能性表示食品としての表示ができなくなること、施行後には事業者が対応に時間を要すると考えられるため、一定の経過措置期間を置くことも盛り込まれた。

食品表示部会の委員からは「規制強化を嫌って『いわゆる健康食品』に流れないよう、実効可能性の担保を」「新規成分の慎重な確認については評価できる。リスクの高い成分が安易に流通できないようにすべき」「注意喚起の文章がこれ以上増えるとパッケージ等に書ききれなくなるため、短く簡潔な表現が望ましい」といった意見が寄せられたほか、「新規関与成分」や「サプリメント形状」の定義についても明確にするべきとの指摘もあった。

さらに「そもそも食品表示基準での運用には無理がある」「遵守事項を遵守しなかった場合、機能性表示ができなくなるだけで、発売禁止や回収などの罰則を科せられない」といった法的な強制力が薄いことへの意見も目立った。

また、「GMPによる製造管理は最終製品の工程のみとされ、原材料の製造に関しては要件化されていない」「原材料の管理状況についても届出内容に盛り込むべき」といった指摘について、消費者庁の依田学審議官は「平成17年通知を改正した令和6年3月11日通知に基づき、原材料の受け入れ段階で同等性を確認する」などと説明した。

消費者庁では今回の議論を踏まえ、次回以降の食品表示部会で食品表示基準の改正案を諮問し、今月20日をめどに取りまとめていく方針だ。


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