【インタビュー】薬事法マーケティング事務所・渡邉憲和代表

2021年6月9日

 機能性表示食品の届出サポートについて400件以上の実績を誇る薬事法マーケティング事務所(東京都千代田区)の渡邉憲和代表に、4000件を突破した機能性表示食品市場に対する所感や差別化に必要な要件、大きな話題となった免疫表示への見解などを聞いた。

「消費者目線を意識した商品開発を」

―これまでの4000件を振り返って。

渡邉 受理件数が3000件を超えた当たりから一気にペースが上がり、今や機能性表示食品が健康食品市場全体の主軸となっていることは間違いありません。

 当初は「制度開始から5年で見直しを行う」という話もありましたが、現時点ではそのような議論も出ていないため、直ぐに大きな変更が行われる可能性は低いと考えます。

 ただし、一部の有識者からは現行の制度に対する問題点を指摘する声も出ているようですので、制度の安定的な運用を目的とした軌道修正が入る可能性はあります。

―昨年は「免疫機能」の届出受理が業界内外で大きな話題となりました。

渡邉 「2号製品」の受理を目指して届出を進めている企業もあるようですが、現時点ではなかなかハードルが高いように思います。NK細胞、IgAなどの免疫機能を表す指標をどう設定するかも課題です。

 ヘルスクレームに関しても、今後は「加齢に伴い低下する免疫機能を維持する」「運動後に低下する免疫機能を維持する」など、ある程度条件を限定する必要があるかもしれません。

 ただし、すでにプラズマ乳酸菌での受理実績がある訳ですから、まったく不可能ということはないはずです。

―免疫以外で今後注目されるヘルスクレームは。

渡邉 「排尿」や「血管の柔軟性」などはまだ1号製品のみですが、免疫に比べればエビデンスが豊富な分野ですから届出を目指している企業も多いのではないでしょうか。

 「スポーツ」や「美容」に関しては、健康維持・増進の範囲内でどこまで表現できるかですが、可能性はあると思います。

 また、「認知機能」「アレルギー」「尿酸」以外の分野でも軽症者データの領域拡大を検討していくという話ですので、議論の進展を期待します。

―一方、受理件数が増えたことで差別化が難しいとの声も聞かれます。

渡邉 機能性表示食品の市場は拡大が続いていると言いますが、これは従来のトクホ市場を食っていることも考慮しなければなりません。産業界のさらなる発展には機能性表示食品やトクホ、栄養機能食品を含めた市場全体の拡大が重要です。

 機能性表示に関しても、新たな関与成分やヘルスクレームへの挑戦は差別化のために必要なことですが、最も重要なのは「消費者が何を求めるか」という視点です。

 そうした意味では、素材のストーリー性や製造における安全性へのこだわり、おいしさなど、関与成分やヘルスクレーム以外にも差別化できるポイントはたくさんありますし、伸びしろのある分野は多いはずです。

 当社では、発売後のマーケティングから逆算した機能性表示食品の開発〜届出を全面サポートしています。

 また、今月下旬には、保健機能食品に特化したECサイト「エフマ」(運営元:たしかにプラス)をオープンする予定です。

 「エフマ」では、ランディングページの作成や広告の法規チェックを含め、販売のトータルサポートを受けることが可能です。機能性表示食品の販路にお困りの方は、ぜひ一度ご連絡ください。

―ありがとうございました。

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