SOO データから読み解く! ② 機能性表示食品飲料 〜 後編
20 代女性、30 代男性、40 代男女のリピーター率
前回に続き、「SOOデータから読み解く!」では機能性表示食品飲料のリピーター率についてクローズアップする。前号は全年齢における売上高ランキングとリピーター率ランキングを掲載し、市場の概要と売上高を見ているだけでは浮かび上がってこないリピーター率について“市場の伸び代”として紹介した。今号は20代女性、30代男性、40代男女というドラッグストアのメイン購買層における売上高およびリピーター率ランキングを見てみよう。
どの性年代でも、売上高ランキングは「やはり、『お~いお茶濃い味』は強い」の一言に尽きる。「イミューズヨーグルトテイスト」もメーカーによるマス展開と売り場の連動が奏功し、金額構成比を伸ばしている。まさにブランド力とメーカー力が反映された結果となった。一方、20代女性のリピーター率ランキングでは「アミールやさしい発酵乳」が100%と1位。金額構成比がどんなに小さいとしても、この企画ではあえてこうした商品に注目する。「購入がたった一人だとしても、その商品を愛する人がいる。そのリピーターの輪を広げていくことが潜在需要の発掘」と捉え、チャレンジすることが重要だと頭に入れておきたい。
さらに同じ性年代に向けてアプローチすることが、可能性を高めるのだ。次に30代男性を見てみよう。売上高ランキングでは20代女性とトップ6までは同じという結果。だが、リピーター率では全く違う傾向が見られた。トップは「十六茶プラス」で、リピーター率は69.7%と2位の「カゴメ野菜ジュース食塩無添加」の47.1%を20%以上も差をつける結果になった。
全体のリピーター率ランキングでも「十六茶プラス」は42.1%とランキング1位になっていたが、30代男性が牽引していたと理解できる。40代男女のリピーター率については、20代女性および30代男性と比較するとトップの「ラクトスマート」が50%、「十六茶プラス」が41%とずば抜けて高い商品はないが、2lペットボトルや500mlペットボトル×24本、190g缶×6本など大容量品やまとめ買いを好む傾向が浮かび上がってきたのが興味深いところだ。
前述したが、リピーター率を考える際は「パイが少ない」ではなく、「その少ないパイを、どのように伸ばしていくか」という考え方に立つべきだろう。数少ない購買者、だが購買頻度が高い商品を見つけ出し、ヒット商品を育て上げていく姿勢で売場作りと訴求をしたいところだ。