【新連載】API’s PLUS on (1)
第1回「高分散型ソフトカプセル」
健康食品受託製造企業最大手のアピ(岐阜市)ではこのほど、独自の製剤加工技術と原料加工技術を駆使することで最終製品に新たな魅力や付加価値を与えるプロジェクト「API‛s PLUS on」を始動した。本連載では、同社の有する多彩な製剤・原料加工技術にスポットライトを当て、顧客の課題解決や競合製品との差別化など「プラスオン」を実現した事例を踏まえながら、その特長を解説していく。
独自の製剤・原料加工技術で付加価値向上
ソフトカプセルは、安定性・密封性の高さや見た目の美しさ、飲みやすい形状などから人気の高い剤形だ。
同社では、さまざまな形状やサイズのソフトカプセルの製造に大ロットから小ロットまで対応できるだけでなく、「腸溶性カプセル」「高柔軟性カプセル」「崩壊遅延防止カプセル」など独自の製剤技術も多数保有しており、最終製品の付加価値向上に活用されてきた。
今回紹介する、乳化剤や油脂の種類と配合割合を工夫しオリジナルの設計とすることで有効成分の分散性を高めた「高分散型ソフトカプセル」は、通常のソフトカプセルとほぼ同等の価格で吸収効率の改善や体感性の向上が期待できるため、顧客からも注目を集めている。
一般的なソフトカプセルは油脂を基材原料とするため水に馴染みにくく、体内における分散性が低いという難点があった。
一方、高分散型ソフトカプセルはあらゆる配合成分の分散性を高めることができ、なおかつ乳化剤や油脂で分散性を付与するため、原材料表示に影響を与えないこともメリットだ。
これまでに魚油やスクワレンなどの油脂をはじめ、ルテイン・ゼアキサンチン、アスタキサンチン、CoQ10、プロポリスなどの脂溶性成分に採用されており、プロポリスの有効成分・アルテピリンCの分散性向上については特許を取得済み。
顧客の希望する成分を用いて溶出試験を実施することも可能。販促資料などに溶出試験の画像や動画を使用することで溶出性の高さを視覚的にアピールできるため、顧客からも好評を得ている。最終製品のパッケージや販売サイトなどに「高分散性」と表記されているケースもある。
新製品の開発時だけでなく、既存製品のリニューアルやバージョンアップの際にも高分散型カプセルが採用されるケースも増えているという。
機能性表示食品にも高分散型カプセルの活用を提案しており、担当者は「機能性関与成分やヘルスクレームでの差別化が年々難しくなる中、製剤技術での付加価値向上を訴求していきたい」と語っている。
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