API’s PLUS on(4)「高柔軟性ソフトカプセル」
第4回 高柔軟性ソフトカプセル
健康食品受託製造企業最大手のアピ(岐阜市)では、多彩な製剤加工技術と原料加工技術を駆使することで最終製品に新たな魅力や付加価値を〝プラスオン〟するプロジェクト「API‛s PLUS on」を展開している。第4回は、特許技術を用いてソフトカプセルの被膜に柔軟性を付与した「高柔軟性ソフトカプセル」を紹介。弱い力でも噛み切れる柔らかさでありながら耐衝撃性に優れるため「噛んで食べるカプセル」や「割れにくいカプセル」の開発が期待できる。
「プチっと噛んで食べるカプセル」が開発可能
近年の健康食品市場では、グミやゼリーのように「食べる」サプリメントがトレンドになりつつあり、配合する成分や健康効果だけでなく、「おいしさ」「食べやすさ」も消費者に選ばれるポイントとなっているようだ。
そうした中、ソフトカプセルの新たな技術として、プチっとした食感でお菓子のように噛んで食べることのできる「高柔軟性ソフトカプセル」が注目を集めている。
「高柔軟性ソフトカプセル」は、被膜にグリセリン・還元水飴・増粘多糖類を配合することで柔軟性と破断性を付与したもの。液体だけでなく、粉末の比率が高い充填物にも柔軟性を持たせることができ、その製造方法については特許を取得している。
容易に咀嚼できる柔らかさでありながら衝撃耐性にも優れるため、「割れにくいカプセル」の設計に用いることもできる。
一般的なソフトカプセルと比較した実験では、10Nの荷重を加えた際に高い柔軟性を示したほか【写真】、一般的なソフトカプセルよりも約30%弱い力で嚙み切れることや、衝撃を与えた際に被膜が割れにくいことも確認している。
味付けやマスキングについてはドリンクやゼリーなどの製造を通して豊富な経験を持ち、官能試験をクリアした経験豊富なスタッフが対応するため顧客からの評価も高い。
担当者は「『噛んで食べるカプセル』は、子どもや高齢者など錠剤やカプセルを飲むのが苦手な方でも容易に摂取できることがメリット。また、口腔環境の改善や口臭ケアを訴求するサプリメントの開発などにも応用できる」と期待を寄せる。
さらに、同社が展開するエビデンスベースで体感性の高い処方設計を提案するプロジェクト「API‛s CF」と「高柔軟性ソフトカプセル」の技術を掛け合わせることで、「おいしさ」と「機能性」を両立したサプリメントを開発することが可能だ。
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