API’s PLUS on(5)「ロングライフ処方」

2024年12月27日

第5回「ロングライフ包装」

健康食品受託製造企業最大手のアピ(岐阜市)では、多彩な製剤加工技術と原料加工技術を駆使することで最終製品に新たな魅力や付加価値を〝プラスオン〟するプロジェクト「API‛s PLUS on」を展開している。第5回は、吸湿性を有するフィルム包材や窒素充填によって、最終製品の「おいしさ」や「品質」を長持ちさせる包装技術「ロングライフ包装」を紹介。酸素や湿度による品質や風味の劣化を防ぐことによって賞味期限を延長できる可能性もあるため、フードロス削減の観点からも注目されている。

「おいしさ」「品質」を長持ちさせる包装技術

近年の健康食品市場では、含有する成分や機能性はもちろんのこと、「おいしさ」「飲みやすさ」の求められるレベルも年々高まっており、味付けやマスキング技術の向上に取り組むOEMメーカーも増えているようだ。

そうした中、アピでは味付けやマスキング技術だけでなく、機能性のある「吸湿フィルム」や「窒素充填」を駆使することで湿気や酸化による品質の劣化を防ぎ、おいしさを保持したまま消費者の手元まで届ける「ロングライフ包装」を提案している。

「吸湿フィルム」は、フィルム自体に乾燥機能を付与することで湿度による内容物の経時的な変化を抑制し、作り立てに近い状態を長時間キープできることが特徴。アルミパウチであれば乾燥剤を使用する必要がなく、また大型三方やスティック分包といった個包装の製品にも吸湿性を付与できることがメリットだ。

包材メーカーと共同開発しているため、従来の吸湿フィルムよりも使いやすいコスト感で提案できることも強みだという。

同社の実験では、ビタミンCを高配合した顆粒や発泡顆粒の経時的な膨張や、アミノ酸顆粒の褐変抑制効果が認められた【写真】。

一方の「窒素充填」は、スティック分包する際に窒素ガスを封入し、酸素濃度を減らすことで包装品の酸化を抑制する技術。酸化による風味・色・成分の劣化を防ぎ、長期間にわたって鮮度を保持できるため、青汁やプロテインなどの風味の変化抑制や酸素を嫌うプロバイオティクスの活性維持などに活用されてきた。

窒素充填が可能な複数のスティック包装ラインを保有しているため、高い生産性を維持できることもポイントだ。

担当者は「吸湿フィルムと窒素充填はそれぞれ単独で使用できるが、これらを併用することで従来は賞味期限を2年と設定していた製品を3年以上に伸ばせる可能性も十分にある」と評価する。

「特に、輸送時間のかかる海外向けの製品や風味・色が劣化しやすい製品には『ロングライフ包装』が適しており、消費者からのクレーム防止にもつながる」と期待を込めている。


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