サイクロデキストランで口腔ケアの新知見/ウェルネオシュガー

2025年3月11日

砂糖との併用による相乗効果を示唆

ウェルネオシュガー (東京都中央区)では、独自のオーラルケア素材「CI‐Dextran mix」(以下、CI)の提案に注力している。

CIは、環状オリゴ糖の一種であるサイクロデキストランを13%以上で規格したもの。サイクロデキストランは黒糖などの食品にも含まれる成分で、同社では長年の研究によって砂糖に酵素と菌を2段階で反応させ、量産化することに成功。2021年に原料供給を開始した。

その機能性については、虫歯菌(ミュータンス菌)が産生する酵素・GTFの活性を阻害することで、プラークの形成を抑制する効果が明らかになっている。食品成分としてプラーク形成を抑制する作用を持つものは非常に珍しく、さらに〝殺菌〟ではなく〝抑制〟によって口腔環境を改善する点が大きな特長。近年の研究では、口腔内を過度に殺菌するとフローラ(口腔内細菌叢)が乱れ、健康面でのリスクが生じる可能性も示唆されている。

一方、CIは口腔フローラのバランスを保ちながらプラークの形成を抑制できることから、今後は予防歯科の領域でもますます注目を集めると考えられる。現在は口腔ケアに関するヘルスクレームで消費者庁に機能性表示食品の届出を行っており、早期の受理を目指している。

さらに、最近の研究ではCIと砂糖を併用することで、GTF活性の阻害効果が相乗的に高まることを確認した。本研究はインビトロでの試験であるため、今後は動物試験でも同様の効果が確認できるか、検討を行っていく。

CIが砂糖との共存下でも歯垢形成を抑制することは過去の研究でも確認されているが、砂糖との相乗効果を示唆する研究は初めてだという。今後はこうしたエビデンスを武器に、製菓業界への提案にも注力していく方針だ。


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