中国のコーヒー市場規模、2025年には1兆元に

2021年9月22日

コーヒー市場規模、2025年には1兆元に日本製コーヒー、認知度・販売量とも急上昇


 中国のコンサルタント会社が発表したデータによると、2020年の中国コーヒー市場規模は3,000億元(約5兆1,000億円)で、2025年には1兆元(約17兆円)に達する見込みである。

 中国コーヒー業界投資の見通しに関する報告書によると、中国のコーヒー消費量はここ数年15 ~ 20%の高い成長率を遂げ、世界平均の2%を大幅に上回っている。また、一人あたりの飲用回数についても中国市場にはなお大きな成長の可能性があると中国の「人民網」が伝えている。

 中国ではコーヒーの普及率はまだ低く、若者でもコーヒーより近年流行っているミルクティー(奶茶)を好む人が多いが、サラリーマンを中心にコーヒーのニーズが増加している。近年は都市部を中心に家族でコーヒーを楽しむ人が多く、コーヒーの種類もインスタントコーヒーからカプセルコーヒー、レギュラーコーヒーなど種類が多く、海外の各種ブランド商品も購入可能である。また、喫茶店のほかに、コンビニエンスストアやレストランでもコーヒーを楽しむことができ、大学や会社や公園などではコーヒー自動販売機をよく見かけるようになった。

 気になるコーヒーの価格だが、スターバックスでは約29元(約490円)、コンビニエンスストアでは約12元(約200円)で、日本に比べてやや高い。 所得水準が日本より低い中国だが、コーヒーの価格は日本より高い。

 中国の大学の食堂の一食(野菜のおかず2種類+肉のおかず1種類+スープ+ライス)の価格は約15元(250円)であり、スターバックスのコーヒー1杯の価格が学食の1食分の2倍ということになる。 このようなコーヒー文化の普及と需要の増加に伴い、都市部の街角にはコーヒーショップが次々と誕生し、中国のコーヒー市場の競争はますます激化している。

 中国で4,000店舗以上を展開している米大手のスターバックスは、江蘇省にコーヒー豆の輸入から焙煎、物流まで手がける産業パークの建設を開始した。米国以外では最大規模だという。また、中国企業では新興コーヒーチェーンの瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、LuckinCoffee)が2017年の創業から急成長し、あっという間にスターバックスの店舗数を上回った。スターバックスより低価格で、2杯注文すると1杯の無料クーポンをつけるサービスは「仲間3人で注文すると1杯が無料」と人気が出た。日本製のインスタントコーヒーやドリップコーヒーは中国で人気が高く、認知度も販売量も急上昇している。

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