酵母由来の〝次世代のプロテイン〟に高い注目/中原

2022年6月16日

「アミノ酸組成」「SDGs」「価格競争力」で差別化

プロテイン市場の課題克服を目指す

 近年は、タンパク質摂取の重要性が老若男女に認知されたことで健康食品としてのプロテイン市場は急速な拡大が続いており、昨今は「コロナ太り対策」や「フレイル予防」といった概念も追い風となり、その勢いは衰え知らずだ。

一方、コロナ禍以降は慢性的な価格高騰や原料不足、さらには急速な市場拡大の反動による末端競争の激化など、プロテイン市場のさらなる発展にはさまざまな課題も浮き彫りになっている。

こうした課題をクリアすべく、世界各国にネットワークを持つ原料サプライヤーの中原(さいたま市南区、https://ssl.nakahara2001.co.jp/)では、パン酵母(イースト菌)に含まれるタンパク質を抽出・精製した新素材「酵母プロテイン」の取扱いを昨年よりスタート。

ホエイなどの動物由来や大豆・エンドウ豆などの植物由来を代替する「新世代のプロテイン素材」として提案を強化しており、新規性の高さや優れたアミノ酸組成、そして価格競争力が評価され、引き合いが急増しているという。

緩やかで持続的な吸収性

 酵母プロテインは、酵母に含まれるタンパク質を特殊な方法で抽出し、80%で規格したもの。

ホエイや大豆由来のプロテインと比べても引けを取らない栄養組成を持ち(アミノ酸スコア100)、中でもBCAAを豊富に含むことが特徴となっている。

ヒト試験では、ホエイと比較して緩やか且つ持続的に吸収されることが示唆されたため、疲労回復や筋力・持久力の維持、睡眠改善などの効果が期待できると考察している。

腹持ちが良いため、「置き換えダイエット」を訴求する食品にも適しているという。

 ココアや抹茶など人気のフレーバーとの相性がよいほか、フルーツやスープなどのフレーバーを予め付与して飲みやすくしたグレードも取り扱っており、顧客の要望に合わせた処方提案が可能だ。

環境負荷の少ない持続可能なタンパク源

 現在、世界的な関心を集めている「SDGs」の観点からも酵母プロテインの有用性に注目が集まっている。

酵母の培養に係る環境負荷や発生するCO2量はホエイや大豆と比べて大幅に少なく、なおかつ天候や汚染物質などの影響も受けないことから、持続可能性が極めて高いことが特徴。さらに、世界的な原料価格高騰が叫ばれる中でも質・量・価格ともに安定供給できることも大きなメリットだ。

 また、アレルギー表記の必要がないこと、非遺伝子組み換え原料であること、輸入後は自社および第三者機関で分析を実施するなど、厳格な品質管理を徹底していることも顧客からの評価に繋がっている。

「スポルテック2022」に出展

なお、同社では、来月27~29日に東京ビッグサイトで開催される国内最大級のスポーツ関連の展示会「スポルテック2022」に出展し、酵母プロテインのほか、新素材の酵母ペプチドをPRする。酵母ペプチドはタンパク質を75%以上含有し、水溶性が高いためゼリーや飲料などのタンパク強化にも利用できる。出展ブースは「E2-18-5」。

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