新型コロナ検査薬がOTC化で市場に変化/True Data
2022年11月売上伸長カテゴリ
True Data(東京都港区)は、同社の統計データをもとに、ドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける2022年11月の売り上げ伸長カテゴリを発表した。当月ドラッグストアで大きく売り上げを伸ばしたカテゴリは「一般用検査薬」(新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キットなど)で、前年同月の約12倍を記録した。「かぜ薬」、「解熱鎮痛薬」も伸び率ランキングTOP20にランクインしており、新型コロナウイルス感染者数の増加が影響していると考えられる。
かぜ薬と解熱鎮痛薬が引き続き売り上げを伸ばす
ドラッグストア、食品スーパーマーケットの両方で引き続き、かぜ関連商品の売り上げが伸長した。
ドラッグストアでは「かぜ薬」の売り上げが前年同月比28.1%増加し4位に、「解熱鎮痛薬」が同23.1%増加し5位にランクインしている。食品スーパーマーケットでは2位の「解熱鎮痛薬」が同20.1%増加、14位の「かぜ薬」が同10.9%増加した。
ドラッグストアで一般検査薬のカテゴリーが急成長
ドラッグストアでは、「一般用検査薬」(新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キットなど)が、前年の約12倍(前年同月比1162.5%)と大きく伸長した。新型コロナウイルス感染者数が増加していることや、テレビCMにより商品の認知が高まったこと、商品の供給体制が整ったことなどにより売り上げが伸長としたと考えられる。
2022年8月には新型コロナウイルスの体外診断用抗原検査キットがOTC化(一般用)され、これにより薬局で購入する際に特別な届出(書類への記入など)を必要とせず、薬剤師からの説明を受けて購入できる「第一類医薬品」扱いとなった。「鼻腔ぬぐい液」で検査するキットとして初めて承認され、11月末にはインフルエンザと新型コロナウイルスの同時検査が行える体外診断用抗原検査キット もOTC化されたことにより、感染症流行シーズンに向け、需要はさらに高まるものとみられる。
ドラッグストアで当月2位の「サラダ油・天ぷら油」は、同社の購買分析ツール( 「Dolphin Eye」)で確認すると、購買個数が増加したことや、値上げの影響により、前年同月に比べ購買金額が大きくアップしている。「竹輪」も値上げの影響により、購買金額が前年同月に比べ増加し、8位にランクインした。
スーパーはトマト加工調味料が首位に
食品スーパーマーケットのランキング1位は「トマトケチャップ・トマトソース」となった。メーカー各社は11月に来年2月以降の値上げを発表しており、1月に駆け込み需要が起きる可能性がある。
また、5位の「猫用品・用具」、12位の「猫フード」など、ペット向け商品も伸長しており、スーパーでペット向け商品を購入する機会が増えている。
2位の「解熱鎮痛剤」、4位の「ドリンク剤(指定医薬部外品)」といったドラッグストアが得意とするカテゴリーがスーパーでも広がっており、ペットケアや医薬品を購入するチャネルとして競合が激化する可能性が高まっている。