「月経」「更年期」届出に期待/森下竜一氏に聞く
「消費者庁は一貫性をもって届出チェックを」
昨年も話題に事欠かなかった「機能性表示食品制度」。免疫表示や新規ヘルスクレーム、届出における問題点、ルール改善の行方などについて大阪大学寄附講座教授・森下竜一氏(日本抗加齢協会副理事長)に話を聞いた。
―産業界で注目度の高い「免疫」の機能性表示ですが、第2弾はどうでしょうか。(※本取材は12月15日。12月21日にはアサヒ・L-92乳酸菌届出が公表)
森下 推測としてですが、もうそろそろ新規関与成分で新たな届出製品が公表されても良い頃ではないでしょうか。日本抗加齢協会としても届出前のチェックで各社のお手伝いをしていますが、有力な候補はもちろんあります。免疫表示については消費者庁側も容易く判断できない面もあり、免疫表示の指針案(令和3年)を公表した日本抗加齢協会にとっても責任ある関わり方をしていると言っても過言ではありません。最終的にはいくつかの製品で短い間に立て続けに届出受理となり、公表されると予測しています。
―前回のキリン・プラズマ乳酸菌の届出から2年以上経っています。
森下 免疫表示の届け出に関しては、小手先の準備ではかなり難しいということがはっきり言えます。協会で出した指針案に基づいて、臨床試験に取り組んでもらうことが大事であると言えます。
そう考えると結果的に資金的にも余裕のある企業が有利になってくるのではないでしょうか。
―制度については施行8年目で6000件以上の受理となっています。
森下 この制度が許可制ではなく、届け出制ということで、思い切った規制改革の成果というものが消費者、事業者、それぞれにとってメリットのある制度となったと言えます。これは大変意義深いことだと思います。届出制によって新しい市場を創り出したことは非常に大きいです。現在、4300億円市場(令和3年度※ヘルスビジネスメディア調査)を築き、5000億円も近いと見られますが、これからも消費者、事業者の双方にとって利便性が高く、経済にとってもプラスになるようルールを決めていくことが重要なことだと思います。
―ところが最近は産業界から、消費者庁の届出後のチェックが厳しいという声をよく聞くようになりました。
森下 担当する職員が変更することにより、消費者庁のチェックが変わるのは、行政の一貫性の観点から望ましいものではありません。届出をする事業者との間で軋轢を生んでいるものと見られ、消費者庁には、一貫性をもって望んでもらいたいと思っており、そのような申し出もしています。。
―新しい分野での表示についてはどう予測していますか。
森下 「月経」「更年期」などフェムテックに関わる表示での届出が期待されます。実現する可能性もあると思います。その一方で・・・・・・・・・・・・・・・・・・※全文は「ヘルスライフビジネス」1月1日号をご覧ください。
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