小学生に免疫の大切さを伝える授業/キリンHD
全国1万人が受けた「免疫授業」を今年もスタート
キリンホールディングス(東京都中野区)は教育現場支援を行うARROWSと共同で、両社が作成した教材「免疫ケアで健康な毎日を!」を用いた特別授業を開始。5月8日(月)に東京の江戸川区立二之江小学校で授業の模様を公開した。
6年生もコロナ引き下げに注目
授業冒頭で先生から「朝ニュース見た人はどんな話題があった?」と質問が投げかけられると、生徒は「新型コロナウイルスがインフルエンザと同じ扱いになる」と回答。先生は新型コロナウイルスが感染法上の5類に引き下げられることに触れ、「これからはマスクの着用を自分で決めることになる」と自律を促した。
そして「自分の健康を自分で考えなくてはいけない」と語り掛け授業はスタートした。
健康対策をビンゴゲームで確認
特別公開授業は、二之江小学校の体育館で6年生の2クラス合同(計76人)に向け、「健康でいるために普段していること」「免疫について確認しよう」「免疫ケアの必要性」のスライドを用いて順序だてで行われた。
「健康のために普段していること」は、授業内容を自分事として捉えられるよう、自分が気を付けていることをビンゴゲーム形式で確認。ビンゴ用紙に記載されている「外であそぶ」「手をあらう」以外のマスを生徒に記入してもらい、ビンゴゲームが行われた。
正解の「栄養のある食事をとる」「適度な運動をする」「十分な睡眠をとる」「ストレスをためない」「空気の乾燥に気を付ける」「体を冷やさない」が発表されると、多くの生徒が”ビンゴ!”と手を挙げた。
「十分な睡眠」では生徒から「ついつい寝る前にYouTubeなどをみてしまう」など、現代の小学生ならではの悩みも回答されている。
「たくさん笑う」「乳酸菌」も免疫に大切
次いで「免疫について」では、免疫機能を「姫を守る勇者」に例えた動画と、イラストで分かりやすく説明した授業スライドで、免疫が外部からの敵に対して自分の体を守るための防御システムであることを伝えた。
免疫という言葉を聞いたことのある生徒は8割が挙手。食事・睡眠・運動に加えて「たくさん笑う」「乳酸菌を摂る」など日常生活に取り入れやすい行動も紹介。
生徒から「油断しないように気を付ける」の声
最後に「免疫ケアの大切さ」で、免疫を維持するための「免疫ケア」の概念について学び、”なぜ今免疫について学ぶ必要があるか”をテーマに意見を募った。
生徒からは「これからも油断しないように免疫ケアを大切にする」や「授業から、子どもも体に気を付けてほしいという思いを感じた」といった回答が挙がり、ある生徒からは「世界にはいろいろな病気があって、次があるかもしれないから免疫に気を付ける」という大人顔負けの意見も出た。
先生「自分の健康に興味をもって学校生活を送ってほしい」との思い
授業終了後に先生にインタビューしたところ、「本クラスでは3分の1の生徒がマスクを外しています。着用は任せていますが、のびのびと学校生活を送ってほしいという思いは強くなっています。特に最高学年の6年生には自分の健康に興味をもってもらい、自律性をもって食事・睡眠・運動に励んでほしい。私は彼らが3年生の時から教えてきたので、マスク生活で距離を意識していたり〝鼻マスクになっているよ〟といったやり取りが多かった。免疫の大切さを知って、授業内容をクラスメイト・家族で話し合ってほしいですね」と話してくれた。
「小学生は免疫の育成期」と捉え、活動を推進
キリンHDは、教育現場における課題解決の支援事業を行うARROWS社と共同で、楽しく簡単に「免疫」について学べる教材「免疫ケアで健康な毎日を!」を全国の小学校に無料で提供し、保健体育の授業を通じた健康情報の発信を行っている。
昨年開始した教材を用いた授業は、全国41都道府県177校から申込があり、小学6年生を中心とした約1万人が受講している。教材は進行台本に沿って授業を進めるパッケージのため、小学校教員の授業の負担が少ないことも特長で、特別公開授業の日も他校から視察に現れる教員がいるなど、注目が集まっている。
授業に同席したキリンHDヘルスサイエンス事業部の田中圭衣氏は「私たちは、小学生は免疫の育成期と捉えています。昨年スタートした本授業は、おかげさまで受講生徒の9割が満足と回答してくれました。今後も中長期的な活動としてサポートを行っていきます」と語った。
ARROWSの中石尚吾氏は「小学生に免疫を正しく理解してほしいと思い、アニメ動画で分かりやすく伝えています。昨年実施した授業から、進行台本やビンゴといったアクションを加え、先生が授業をやりやすい教材へとブラッシュアップしました」とサポート体制の強化を示した。