東大と共同シンポジウム開催/明治HD
2023年5月29日
清水誠名誉教授が乳研究を視点に講演
明治ホールディングス(東京都中央区、☎03-3273-4001)は5月17日に東京大学にて、東京大学大学院農学生命科学研究科と合同で、免疫生体機能研究社会連携講座オープニングシンポジウム「農学連携で切り拓くサステイナブル・ウェルネスの創造」を開催した。
基調講演では、東京大学清水誠名誉教授を講師に招き、「健康を支える食と免疫:乳研究の視点から考える」をテーマに講演を行った。
講演では、人乳MFGMと牛乳MFGMの比較研究を行った。その結果、人乳MFGMに含まれる高分子糖たんぱく質モノクローナル抗体に対して、PAS-0が抗体作用を有することが明らかとなった。またPAS-0はがん治療の有用な標的分子であることがわかった。
そのほか人乳には、HIVなどの感染症を防ぐ抗ウイルス作用や免疫作用を有するエクソソームが含まれており、母親から乳児に母乳を通してエクソソームが送られることで、乳児の生体系調整作用、生体防御作用、腸内環境を整える作用に効果をもたらすことがあると話した。
なお特別講演では、理化学研究所生命医科学研究センターの大野博司副センター長を招き「腸内細菌叢と宿主免疫系」をテーマに講演を行った。