【インタビュー】常磐植物化学研究所・立﨑社長に聞く
環境経営、健康経営への取り組みが健康産業界でも徐々に広がりつつある。その中でも常磐植物化学研究所(千葉県佐倉市)の取り組みは同じ考えを掲げる多くの企業から注目されている。代表取締役の立﨑氏は就任直後から環境経営の取り組みを進め、カーボンニュートラルへの取り組みを始めとする環境経営、さらに社内環境向上のために健康経営にも力を入れている。
―推進している環境経営、健康経営について
立﨑 私が入社した2007年ころから環境経営に取り組みはじめました。工場屋根へのソーラーパネルの設置、環境配慮のガスを使用するなど実践したカーボンニュートラルの取り組みでは既に2013年比でCO2排出量実質51%削減を達成し今年度中に99%達成を見込んでいます。今後は会社敷地内のソーラーパネルを増設し消費電力の最大50%を自社でまかなえるようにしたいと計画しています。
また、数年前に私が病気になったタイミングで社会もコロナウイルスが流行しました。こうした経験もあり、社員の健康も含めた健康経営が重要であると再認識しました。そこで従業員向けのサプリ開発や従業員のラジオ体操指導員認定の取得などに取り組んできました。
これらの取り組みが評価され、中小規模の企業で健康経営に取り組んでいる企業14000社のうち優良企業500社の一つとして「健康経営優良法人ブライト500」に認定されました。更なる健康経営推進のため、現在は従業員が健康的な食事を摂るための食堂「sakuraヘルシーテラス」を新設しています。
―経営の根幹にあるのはどのようなお考えか
立﨑 こうした環境経営、健康経営の取り組みは「CSR」ではなく「ESG」だと私は考えています。大事なのは経費やコストをどれだけ費やしたかではなく何に投資したかという考え方です。カーボンニュートラルの取り組みなども経費だと考えると無駄なコストになりますが、それが価値に繋がるのならば重要な取り組みです。
我々が注力している研究開発や、カーボンニュートラルをはじめとする環境経営の取り組みはお客様にも認められる価値だと考えています。
業界内でも原料の高騰を耳にしますが、価格転換するにしてもポジティブな理由でした方が良いと思います。そのためお客様にも一緒にカーボンニュートラルの価値を伝える取り組みを行いませんかと提案しています。
―これからのお取り組みについて
立﨑 会社の非財務的重要課題を「生かされる(応援される)会社」としています。これまでは売り上げや利益を経営の目標としていましたが、現在は非財務的な目標も重要視し、社会や周りの人から生かされる会社にならなければならないと社員に常に話しています。
ESGもそうですが最終的に価値はお客様が判断するので、認めてもらうためにも良い仕事をしなければいけないと思います。
そのため今後も環境先進企業であると共に健康経営の先のウェルビーイングを推進していきたいと思います。
―ありがとうございました。