蜂蜜に鎮咳成分を発見、鎮咳薬に匹敵/山田養蜂場
2023年10月3日
「メルピロール」と名付け、化学合成も成功
山田養蜂場(岡山県苫田郡)は、理化学研究所と東京理科大学との共同研究において蜂蜜の鎮咳成分として新規化合物「メルピロール」を発見し、同成分が鎮咳薬「デキストロメトルファン(以下DM)」に匹敵する鎮咳効果を持つことを世界で初めて確認した。
本研究は、科学雑誌「ジャーナル オブ アグリカルチャル アンド フード ケミストリー」に掲載された。
咳誘発モデルを用いた試験において、アカシア蜂蜜を投与(胃内へ直接投与)した群では、水を投与した群に比べ咳の回数が有意に低下した。活性のある蜂蜜画分に多く含まれる成分を調べた結果、二成分を発見。活性成分のうち一つは「フラジン」、もう一つは新規化合物であることが分かり、「メルピロール」と名付け、化学合成にも成功した。
鎮咳活性を調べたところ、二成分を投与した群は、咳の回数が有意に減少し、その活性の強さは鎮咳薬(DM)に匹敵するものだった。