筋萎縮抑制と回復促進に働くホップ由来素材/ダイセル
腸内代謝物8PNを含有
ダイセル(東京都品川区:daicel.com)は、エクオール、ウロリチンに続く腸内代謝物シリーズの第3弾として、ホップ由来の8-プレニルナリンゲニン(8PN)含有素材「アストロホップ®」を来年に上市予定だ。
ビールの原料であるホップにはキサントフモール(XH)、イソキサントフモール(IX)、8PNなどのプレニルフラボノイドが含まれる。IXから腸内細菌により変換される8PNは筋タンパク質の合成促進と分解を抑制することで筋萎縮の抑制と回復促進に働くことが分かっている。
しかし、腸内でIXから8PNに変換できる人は4割弱にとどまると報告されている。そこでダイセルでは、IXから8PNを効率よく生産する腸内細菌を発見し、独自の培養技術により8PNを量産することに成功した(製造特許取得)。
8PNの機能性に関する研究も進んでいる。試験食(コントロール食/8PN食/ナリンゲニン食)摂取の18日目にマウスの坐骨神経を切除し廃用性筋萎縮を誘発した後の骨格筋を調べた研究では、8PN摂取群で有意な筋萎縮の抑制が認められた。さらに8PN摂取群では坐骨神経の切除の有無に関わらずナリンゲニン摂取群と比べフラボノイド濃度が有意に増加。骨格筋へ取り込まれやすく、高い生体利用性が示された。またAktのリン酸化促進及びAtrogin-1の発現抑制が確認され、廃用性筋萎縮が予防された。
さらに、8PNの単回投与の有無でマウスの骨格筋中のアミノ酸濃度を比較したところ、8PNを投与した群は、多くのアミノ酸の増加が見られた。8PNの骨格筋萎縮効果には、このアミノ酸取込促進作用が関連していることが示唆され、「第77回日本栄養・食糧学会」でも発表済。今後は、機能性表示食品の届出も視野にヒト試験も実施していく考え。
筋肉を使っていない時でも筋肉量の減少を食い止める作用が他素材との差別化となり、サルコペニア・フレイルの予防から健康寿命の延伸に寄与する「ベターエイジングTM素材」として、サプリメントをはじめ、プロテインや介護食、病院食への配合も提案する。
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