乳酸菌を生きたまま腸まで届けるこんにゃく/みゆきやフジモト
飲料やヨーグルト、漬物、味噌などに幅広く提案
昭和28年創業のこんにゃくメーカーであるみゆきやフジモト(岡山市中区:miyukiya.jp)は、「乳酸菌を生きたまま腸まで届けることができるこんにゃく(2020年特許取得)」を開発し、今年よりBtoB向けに販売を本格スタートした。
同技術は、(国研)産業技術総合研究所・堀江氏と味噌メーカー・まるみ麹本店との共同開発したもの。製品は直径約2~3㎜の粒状(大きさは調整も可能)のこんにゃくで、製造工程で気泡を入れ表面積を増加させている。これにより乳酸菌と混合することで胃液内での乳酸菌生存性を向上させることに成功した。
同品と岡山県産味噌から分離した乳酸菌を混合したものを、人工胃液中(pH1.2)で一定時間保持した後の乳酸菌生存率を評価。その結果、処理時間2時間後でも6割近くの生存を確認している。アルカリ性の食品で菌との親和性も高めた機能性こんにゃくは胃酸から乳酸菌を守り、菌を生きたまま腸まで運ぶメカニズムが考えられる。
こんにゃくは食物繊維を含む低カロリー食品として広く親しまれてきたが、近年国内ではその消費量が減少傾向にあるという。そんななか、同社ではその特性に着目し、強い探求心を持ってこんにゃくの可能性を追及し続けてきた。これまで、食物繊維の含有量を高めた製品や、アルカリ性の強いこんにゃくを酸性に転換し、甘酸っぱく味付けしたデザートこんにゃくなど付加価値を高めた製品の開発実績を積んでいる。今回、新たな商品開発として、低カロリー・こんにゃくマンナンの整腸作用に着目。新たに分離した乳酸菌が必ずしも胃液中での生存率が高いとは限らないため、同社のノウハウを活かし、技術開発に着手したという。
同品は、乳酸菌の種類を選ばないことも特徴だ。食感や風味への影響もほとんどないように仕上げたため、味噌やヨーグルト、漬物などに添加するだけで応用が可能だという。
みゆきやフジモトでは、乳製品メーカーをはじめ、飲料やプロテイン、デザート、漬物、味噌・醸造などのメーカーに向けて幅広く提案していきたい考え。